

ころがる天体
直径五〇センチ
麦藁帽子は越えていく
坂を
海を
やがて真昼の月を
陽炎ゆれる 8月のまぼろし
あの日は還らない
こがねの花粉に溺れたとき
通り雨のにおい
Bring me back to the day
柱時計に隠してた鍵
その瞼を解き放つよ
渡した憧れ
取り戻した時
さまよう素粒子
質量未確認
金魚たちは越えていく
風に飢えてスズメバチ
ゆらめく硫黄
ディエス イレ
歓喜の合唱
神聖文字
カーテンコール
最後の一ページ
真夜中
息をしてる
記憶呼び覚ますペガサス
季節はずれ
スミレの香りのレプリカ
あなたが奪った夜
わたしは静物
背中をひらけば抱擁の朝に
空はちいさく
ただこわく
ただ
遠のく消失点
面影うつすプレパラートに
気象衛星 ほほえみそそぐ
燃えあがる眉
クローバー
逃げることさえできなくて
でも
誰もあなたを傷つけはしない
群像
第二の肖像
忘却
無限級数
水彩
疎外と代償
けして離れない
白昼
加速してく
数え切れないリフレイン
崩れるほど
願いを抱きしめたピエタ
薄明にとけてゆく
白いボタン拾えば屋根の上
誰かいないかふりかえり
心はひとつ
トンボの目玉
赤い
黄色い
みどり
まだら
黒い
やがて収束するでしょう
かすかな浸透圧
やさしいだけの花ことばで
スカートばかり
傘ばかり
午後の退屈をかきわけて
アジサイの迷路に薔薇色の頬
おさなく気高い殉教者
ここが入口
炎天下
ころがる天体
直径五〇センチ
麦藁帽子は越えていく
坂を
海を
やがて真昼の月を
かすかな合図はピチカート
線香花火
たったふたつ流れる
なつかしいあの讃歌は銀の蜂
ひとひら
たったひとつしたたるサフラン
浸透していく一夜
まわりつかれてスターマイン
無音
背のびする無垢
ひとつひとつが
さよならのメッセージ
真夜中
息をしてる
冷たい彫刻 アヌビス
何度目だろう
剥製になるまでずっと
あなたを愛してる
今宵踊る
貝殻ドレス
嘘をまとう
夢うつつ
ああ
あなたにしか解けない魔法
石の塔から連れ去って
- 作詞者
lantanaquamara
- 作曲者
So

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ストリーミング / ダウンロード
- 1
ポルピタ ポルピタ
lantanaquamara
- 2
地平線
lantanaquamara
- 3
ウタカタ
lantanaquamara
- 4
ネオンテトラ追放
lantanaquamara
- ⚫︎
灯台へ
lantanaquamara
- 6
サバンナ
lantanaquamara
- 7
ユニコーン倒壊
lantanaquamara
- 8
わたしはひかり ひとりきり
lantanaquamara
東京発ロックバンド、lantanaquamara(ランタナカマラ)の1stフルアルバム。“ポスト邦ロック” “ポストジャパメタ”とでも形容できそうなそのサウンドは、どこかで聴いたことがあるけど、どこにもない。懐かしいようで、新しい。そんな音楽体験をさせてくれる。
00年代邦楽ギターロックを思わせるリードトラック「灯台へ」、オールドスクールなメタルへのリスペクトを覗かせる「地平線」「ウタカタ」「ネオンテトラ追放」、衝撃のメロスピチューン「ユニコーン倒壊」など、バラエティに富んだ楽曲が並ぶ。
アングラなサウンドを鳴らした初期の面影はもう見えない、と思わせる楽曲群は、8分超えの大作「サバンナ」の存在をより際立たせる。
「ポストメタル」の呪縛を解き放ち、より自由な世界へ進まんとするバンドの「決意」を体現した快作。
アーティスト情報
lantanaquamara
2016年、1st EPリリースと同時に活動開始。結成当初はポストメタル/オルタナティブメタルを志向していたが、現在は90年代ヴィジュアル系、ジャパニーズメタル、00年代邦楽ギターロック等の影響を取り入れた、より日本的な音楽性に変化。 2018年1月に初の自主企画「plant Vol.1」を開催しソールドアウト。2019年1月、1st Single『ネオンテトラ追放』にて、キャリア初のMVをリリース。完全自主制作ながら、2020年12月時点で4万再生を記録。 アンダーグラウンド~国内メインストリームを横断した幅広いインプットを楽曲に集約し、独自のロック音楽を発表していくことをバンドの活動目的とする。2022年11月2日、1st Full Album『灯台へ』をリリース。
lantanaquamaraの他のリリース
lantanaquamara