Luvdaworld '24のジャケット写真

Luvdaworld '24

トラックリスト

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Free Palestine、Boycott Mcdonald's、アフターピルのハードルを低く、YES means YES

この『Luvdaworld '24』は、Kanye WestやCommonのポジティブなエネルギーに、Lupe FiascoやNonameの作詞から影響を受けたTai Otoraと、プロデューサーであるBailey Danielそれぞれの色が、1分31秒というきわめて短い演奏時間の中でとんでもないくらいに出ていて、前述したKanye WestやCommon、Nonameなどのシカゴの雰囲気が好きな方や、または社会的な歌詞を好む、興味がある方に特におすすめです。
しかし!2人の制作は、間違いなくそれ以外の方々のお眼鏡にもかなうはずです。

私はBailey Danielが大好きです!
Baileyのプロデュースするトラックはサンプリングが魅力的で、このトラックでの優しい哀愁にまぜられた楽観的な雰囲気は、曲全体にあざとすぎない華やかさをもたらしています(まるで銀閣寺みたいに!)。

そのトラックがTaiの楽しげなラップパフォーマンスと相まって、聴いているだけで気分が良くなってきます。

Taiの流れは他ではあまり聴いたことのないアプローチであり、歌詞もユニークで、その中からお気に入りをいくつか紹介したいのですが、たとえば1バース目の『目の前 スイカ しない 目隠し』は、パレスチナのシンボルがスイカであることから、ふつうは目隠しをするスイカ割りと、Tai自身がパレスチナ問題について目を瞑らないことをかけたラインです。
また、『注文 する まず チーズバーガー
注文 する 味は シオニズム』はマクドナルドへの強い皮肉であり、
2バース目ラストの『求刑6年と9年 取り戻せる 現金 と 戻せない 尊厳』は、性加害者への軽刑について不満を示しています……歌詞のみ書いていると誤解を生みそうなのですが、BaileyのプロダクションとTaiのラップパフォーマンスは、これらを押し付けがましくない方法で穏やかに表現しています!
また、私はこのアーティストの1stシングルが、実際にイントロなしの『F*** Israel』から始まるのが好きです。

曲は2つ目のバースが終わったあと、全体の半分ほどを残してほぼTaiがランランと口ずさむだけになりますが、私はこのパートが妙に好きで、たとえばKanye Westが『Touch The Sky』でサンプルに合わせて『A-la-la-la-lah-la-lahhhhh』と歌ったときや、Yasiin Bey(Mos Def)がThe Rootsの『Double Trouble』で『Zen-zen-zen-zen-zen』と歌ったときのような雰囲気を感じて(これはAfrika Bambaataa & Soulsonic Forceによる『Planet Rock』のPow Wowからの引用ですが!)、気づけば笑っていました。

さて、この『Luvdaworld '24』は、1分半という短い時間でありながら、このTai Otoraが一体どういうアーティストなのか、それを簡潔かつ満足感のある素晴らしい方法で紹介しているように聴こえ、アーティストの1stシングルとしてぴったりです。

この曲の収益は、セーブ・ザ・チルドレンを通してパレスチナに全額寄付されます!

アーティスト情報

  • Tai Otora

    日本のラッパー/アーティスト。他では見ないアプローチと、聴くだけで気分が良くなるような雰囲気、ユニークで表現力溢れる歌詞が魅力。 Lupe FiascoやCommon, Kanye WestやNonameなどを始めとしたシカゴの雰囲気から、OutKast, Lauryn Hill, Yasiin Bey, それからJ DillaやMadlibにも影響を受けている。 特にNonameからは、音楽的な面だけでなく思想的な面でもその影響があり、アーティストがトランスフォビアやホモフォビアに強く反対するのを後押しし、フェミニズムについて興味を持つきっかけにもなった。 日本のアーティストなら本当に杏里さんと宇多田ヒカルさんが好き。

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