昨夜は渇いた夢の中、
窓の向こうに星が瞬いていて、
その窓から出て行こうとするそのひとを、
僕はなぜだかとても悲しい、悲しい気持ちで見ていた。
笑っていたんだ。
そのひとは確かに、幸せそうに笑っていて、
何て言ったかなあ、
きっと、別れの言葉じゃなかったはずだけれど。
書き留めようとする端から、
零れ落ちるのは水のようだ。
はらはら
雨はずっと
泣いた咲いた
溶けないで
ゆらゆら
まぶたのうら
いないな痛いな
覚めないで
この街じゃ誰も傘なんてさしていない。
だってもうずっとずっと雨が降り続けているから、
手提げにはビニールをかけて、錆びた自転車に乗って、
忘れられた図書館に行こう。
今日も僕は少し浮いている。
物語が必要なのは、明日を生きていくためで、
でもノートに書き留めているこれは、
ゆるやかに現実を薄めていくようだ。
夜毎にはっきりと香りが立ってきて、
夜毎にはっきりと温度が分かる。
知らない空の色が鮮明で、
ゆるやかに現実を薄めていくようだ。
物語が必要なんだ、明日を生きていくために、
しがみつきたくてページをめくる、
泣きたいくらいのスカイブルー、
星座はばらばらに割れて、
知らない言葉でもう一度教えてよ。
お別れなんてさせないでくれ、
忘れさせないで。忘れさせないで。
(はらはら
雨はずっと
泣いた咲いた
溶けないで
ゆらゆら
まぶたのうら
いないな痛いな
さめないで)
物語が必要なんだ、明日を生きていくために、
しがみつきたくてページをめくる、
泣きたいくらいのスカイブルー、
星座はばらばらに割れて、
知らない言葉でもう一度教えてよ。
お別れなんてさせないでくれ、
忘れさせないで。忘れさせないで。
(はらはら
泣けないから
うたうたう
忘れないよう
ゆらゆら
きみはだれ?
いないな痛いな
あけないでね)
- 作詞
小宵
- 作曲
貝と蜃気楼
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アーティスト情報
貝と蜃気楼
耳を劈く轟音に物語性の高いリリックを乗せて鳴らすオルタナティヴ・ヘヴィ・ロックバンド。そのサウンドはスラッジコア、ブラックメタル、ハードコアパンク、シューゲイザー、USインディーなど様々な音が渾然一体となった唯一無二のものだ。メンバーは、小宵(Vo)、KYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶ(Gt)、ヨシキ(Gt)、MiNT(Ba)、634(Drs)の5人組。その内、小宵とKYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶの2名がVtuberという異色の構成だ。2022年4月に1st EP『人魚の骨』、同年10月に1st Album『七日目の街』をリリースし、また2022年5月にはおやすみホログラム主催のライブ「打奏驚蛇」に出演、同年12月にはレコ発ライブ「七日目のパレード」を主催するなど、ステージパフォーマンスにも力を入れており、破壊的な演奏が評価されている。最近ではASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がホストのpodcast AVMTのVOL.36にて1st Album 所収「安息日」が週のプレイリストに選曲されるなど、その存在感はあらゆる音楽シーンにおいて日々いや増しつつあり、今後も決して目が離せない。
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