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エレクトリックヴァイオリンソナタ演奏によるストラビンスキーインスパイアで日本のちんどん屋の音感を表現した作品。
ストラヴィンスキー的な「不規則なリズム(変拍子)」や「不協和音」と、巨匠が嫌ったアーティキュレーションによる残響音をわざとふんだんに使用しつつ、巨匠の愛した日本のちんどん屋の「賑やかさと哀愁が混ざった独特の音階」をエレクトリックバイオリン一本で表現する……。
そのDUBアバンギャルドな楽曲に『all mess but one dance』というタイトルを合わせ、以下のような多層的なニュアンスが生まれるのではと思う。
1. 「カオス(mess)の中の秩序」
ストラヴィンスキー風の複雑な不協和音(mess)が鳴り響く中で、ちんどん屋のステップ(dance)だけが一本の筋として通っているイメージ。
2. 「世俗の喧騒と孤高の芸」
ちんどん屋という「街中の雑踏(mess)」に紛れる存在でありながら、奏でられる音楽(dance)は極めて計算された芸術であるという対比。
3. 「壊れゆく伝統へのオマージュ」
エレクトリックバイオリンという現代的な楽器で、消えゆくちんどん屋の音(過去のmess)を再現し、それを一曲の舞曲(one dance)として昇華させる。
「めちゃくちゃに見えて、実は踊れる(成立している)」という皮肉めいた知的な格好良さが際立てるのではないか。
この曲は、じわじわ狂気で進み中間部でモノローグの中のモノローグ(本音と建前)を経てラストはシャウトのようなアルペジオで終わる構成。聴き手には「狂っているのは世界(mess)か、それともこの踊り手(dance)か」という強烈な問いが残ることを意図した。
エレクトリック・ヴァイオリニスト・マンドリニスト / 作曲家 / キットドラマー / ナレーター / ジャケットフォトグラファー/ 1962年10月静岡市生まれ。ヴァイオリンは6歳半から8年間谷口由美子氏の教授を受ける。ザ・ビートルズの音楽に強烈に魅せられドラマーを志し上京、ジャズドラマー日野元彦氏に師事。付き人を経てその後渡英する。十数年間に亘り様々なスタイルのミュージシャン達と数多くのセッションやレコーディング等の音楽活動を行いつつ併行して、TOSHI FUJITA クレジットで俳優・ナレーターの活動も精力的に行なった。帰国後は映像製作や楽曲制作、演奏活動の傍らヴァイオリン奏法の再習得に励み、これを軸としての楽曲制作と演奏活動を2023年から開始した。楽曲製作のモティーフは曲全体を通して映画のような恣意的意図に帰結するものであること、一瞬のキャプチャーからの情報展開であること。即興の要素が強いので自身の音楽的立ち位置はコンポーザーと考えている。好きな音楽家、詩人、映画、芸術家は数多いるがコンポジションの構想に多大な影響を受けているのは武満徹とピンク・フロイド、冨田勲と谷川俊太郎、川島雄三と勅使河原宏。演奏スタイルやアプローチは鶴田錦史、ジェフ・ベック。 アイドルはジャコ・パストリアス。音楽を創る過程は料理そのものに非常に似ていると強く感じており、土井善晴氏の料理法やモットーに共感している。