

Lyrics/ Vocal: Natsuki Gotoh
Composition / Piano/ Vocal: Hitomi Onochi
____ここ1年で、自分の持つ色が暖色になった?
うん。かなり私は暖色に……
ていうかやっぱそもそも、ほんとはそういう面を持っていたんだけど。
ずっと、自分を綺麗な型にはめようと頑張ってたんだけど、
最近SNSで見せてる「後藤那月」とかって、
自分が見せたい一面でしかなくて、ダイヤモンドの一側面みたいなだけで、ちょっと演出っぽくなってるなって。最近思う。
そういうちょっとスマートなところも見せたいんだけど、
でも、見せたいからそう振る舞ったとしても、
暖かい部分とか人間味が感じられる部分が無くなる訳じゃないことを自覚したというか…。
_____うんうん。
普段のすがたと、SNSの姿で違う印象を受けられることも多いんだけど、
私が元々持ってる人間味豊かなところは、日常的にはたしかに存在してて。
「見せよう」としてちゃんとカッコイイとこだけ見せるっていうのと並行して、
優しい人間味、暖色っぽいところを自分で分けれるようになった感覚?
最近知り合い達とみんなで話すんだけど。
今年は私は「手放すこと」を頑張ろうと思ってて。
ずっといろんな人にいろんなことを届けてもらって、私は充分受け取ったから。
今持ってることを手放さないと次に進めないっていうのは、考えてて…人間関係とか。
だから今年一年、自分がほんとに関わりたい時に、
関わりたい人とか、ものと意識的に関わろうとしてる。
____うん。
「手放す」って、持ってるものがないとできないから。
手ぶらで手放すことはできないし。だからそれをこう、今から少しずつできたらいいなと意識して、今年一年できてきた気がするから。
ほんとに必要なものを、理由を持って、これを残してるって言えるようにしたいって最近思ってて。
「捨てる」ことを、捨てるって自分で決断をするっていうのが、
自分の気持ちをちゃんと見つめることだとも思ってて。
だからなんか、今年一年ですごくちゃんと生活するようになった。
ご飯をちゃんと食べたりとか、寝ることとか、日光浴びるとか……っていう。
だからおのずと暖色っぽい、人のあたたかさみたいなものをちゃんと持てるようになった気がしてて。
ちも(小野地)からみてわたしの印象はどう?
_____たしかに今言ってくれたみたいに、
元々ある性質が、両方ちゃんと着地してる感じが最近あるなあと思った。
前は、ちゃんと食べれてるのかな?ってほんとに心配になる感じの姿も見てたから。
……身体が基盤なんだなっていうのが、たぶん自分の中で落ち着いたんだろうなって、
なんか上からみたいになってあれだけど。
そこがちゃんと2つの軸というか...こうありたい、みたいなところと、そう居るために必要な、「健康にいられる」みたいなところにも目を向けてる感じが話してて伝わってきてたよ。よりあったかい感じ。
うん。LINEしててもなんか違うなって思った。確かに、明らかに違う感じがした。
なんか、今まで自分は誰よりも生きることに誠実じゃなかったなって思ったんだよね。
たしかに結構極端に精神的に「生きる」「死ぬ」みたいなことを考えてたけど。
やっぱり、もっと、私が人間であるならば、大切にすべき日々のことがあったなあって。
自分を見れてなかったし、日々を過ごせてなかったし、体調とかも気を使えてなかった。
痛みを得ることによって生きることを自覚してるみたいな状態だった。
そういうことでしか、生きてる心地を得られてなかったのがよくなかったなと思って。
……ご飯を食べることが、明日を生きることじゃなくて、もっと先の未来を生きることに変わったかな。
例えば、1ヶ月サイクルで肌が、細胞が変わるじゃん。
1ヶ月先にもっと素敵になりたいとか、健康に美しくありたいって思うようになったときに、今日食べる食事を考えるようになって。
今よりももっと先が幸せでいられるためには健康が必要って思って。
それが、ご飯を作る理由になったところ。
むやみやたらに何かをすることがなくなって、
何かにちゃんと理由を持って選ぶとか、捨てるとか。
自分を追い詰めて追い詰めて何かをするっていう生活は、
捨てきれてないけど、捨ててみてる。
自分が1人じゃないって、今年はいろんなところで思わせられたから。
じゃあその人たちと一緒にいるためにはこの選択が必要なんだなって。
最近は、必然性を感じて選べるようになった、
それがほんとに大きい。最近っていうか、1年の変化。
・・・・
・・
ちもは一年どうだった?
____人と安心して話せることの価値をすごく感じたかな。
色んな場所や人と関わったけど、
人と通じ合えて嬉しかったときと同じくらい、気持ちを共有できない、通じ合えない瞬間も勿論あったりして。
色々試行錯誤するなかで、ちょっと視界が開けたかもしれないと思った。
・・
感覚的な話をした時、
「何言ってるかわかんない」と、親しい人に言われた時があって、すごくショックだった。
それを受けて、自分は言葉が足りないんだ、ととすごく自分を責めたのね。
うまくコミュニケーションをとるためには自分側が努力する必要があるんだなと思って、しっかり気持ちを言語化できるように心がけて頑張ってた、けど、
なんかしっくりこない苦しさがあった。
でも、違う人に同じ話題で話したら受け取られ方が全然違うんだよね。
「それってこういう感覚?」と近づこうとしてくれたり、逆の立場で引き出そうとしたり。
言葉がスルスル出てくるというか。そういう体験もあって。
それって、自分のなかの語彙のあるなしもそうだけど、
それを渡しても大丈夫だな、という相手、だからこそ自分はゆっくりでも伝えられてるんだと気づいた。
言葉を渡す相手に、安心できている状態がすごく重要なんだと思った。
それが必ずしも、誰にでも持てるわけではない、というのも同時に分かってて。
落ち着いて考える時間が今あるとか。
言葉を選びながら喋れる関係性の尊さみたいなのにすごく自覚的になった。
コミュニケーションのうまくいかなさ、って、どちらか一方の優劣とかじゃなくて、
もっと複雑なんだなと思った。
言いたいことが人に伝わらない場合、「自分にことばがないんだ」って自分を責めてたけど、必ずしもそうじゃない場合もあるというか。
伝わらないとき、
どういうことがその原因になってるのか冷静に判断したりする余裕がでてきた。
すぐ自分のことを責めすぎるのも、違うなって思った。
いいたいことを言えるって、すごい当たり前じゃないと思った。
どこにでもあることじゃないと思った。
物怖じしない性格であるとか、「たくさんことばを知っているから、言えます」ということではないなと思うし。
・・・
____休学中ちょっと仕事してみて、
大人でもこんなにコミュニケーションがとれないんだなって、感じた場面も多かった。
立場とか関係性の名前に対して萎縮しがちだけど。
年齢が上だからいろんなことを知ってるわけでもないし、逆もそうだし。
いろんなひとの自分がみている姿も、一面でしかないんだな、と捉えると冷静に話せるとか。
権威に負けない、みたいなことを思えた一年だった。
アツ!
____あと、やさしさは想像力だな、みたいなのも考えた。
ことばが柔らかいだけが、「優しい」ではなくて
その人の今にとってここちよいとしても、長い目で見たらそうではないことだったり。
そこまで考えた上で何が言えるか、って少し考えて喋るようになったかも。
・・・
この時間こそが、わたしとちもの中にある大切なものだと思う。
歌える気がする。
お。
・・・・・
・・
____今年は県内のいろんなとこで過ごしてきたんだけど。
そこにいた時間は何が重要だったのか?と思い返した時、
浮かぶのはあの人とこういう時間を過ごした、こういう感情があった、とか、人とのエピソードばっかりで。
自然、的な意味で土地の雰囲気の違いを意識したこともあったけど、そこもまあ重要ではあるけど、
んー、自分が土地を語るとき、人抜きで語ることは難しいと思う。
自分が大事にしたいとか、変われたきっかけとか。
全部ひとからもらった体験とか言葉から見出してきたなと思っていて。
自分のかたちを人と話す中から知っていった感覚がすごいあるから。
作品に関しても、
個人的な感情とか声を大事にするのはだいじだ、と沁み入りつつも
すごいパーソナルなことを、作品にしていいのかなあ?と葛藤もあった。
でも、いいんです。と思えた。だって自分が切実に大事にしてきたことだし。と改めて思えた。
ずっと大事にしたいなあと思ってるから、今回のかたちになったし、
これをずっと続けたらなにかになるんじゃないかなあと思う。
ちもの良さっていうのが、キーワードとして人、があるので、
それを見失わないでほしいなあと思う。
なんかそれって、わかんないけど
例えば、自然の音を使うアーティストに圧倒されて「ワー!」ってなるような姿も想像できるんだけど、
でも、ちものよさはまた別で、もっと強いところがあるから。
土地を移動することも勿論大切だけど、
移動した先の人との関係性とか、
ちもには大事にしてほしい。ここに違いがあると思う。
土地じゃない、って言いたいわけじゃなくて。
もっと人とコアに関われる、コミットさをめっちゃ大事にして欲しいと思う。
そこなの。ちもが自分をめちゃくちゃ発揮できるとこって。
____むちゃ・うれしー。
対話の相手が、人とすごくうまくいくと思ってる(自然とかじゃなくて)
他者からみてそう思えるところは、やめようとおもってもやめられない部分だと思ってるから。
誰かがうらやましく思っても、その人には手に入れられないものだと思うし。
…友達に対してさ、切実に思いを伝えたいあまりに否定的に感じさせたらやだなってすごい思う。
___でもその気持ちもすごい伝わったよ。今。
・・
2025.2.6
- 作詞者
Natsuki Goto
- 作曲者
Hitomi Onochi
- プロデューサー
Hitomi Onochi
- ボーカル
Hitomi Onochi

Hitomi Onochi の“Natsuki”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
Natsuki
Hitomi Onochi
アーティスト情報
Hitomi Onochi
Hitomi Onochiの他のリリース