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この作品は、近年ソロ楽器としてもその可能性が注目されているバリトン・サクソフォーン、そのまだ数少ないオリジナル・レパートリーを開拓するべく、ピアノとの二重奏曲として作曲いたしました。コンチェルトとは違ったピアノとサクソフォーンのアンサンブルの美しさや楽しさを追求しつつ、従来のクラシックの作曲技法にジャズのエッセンスを加え、バリトン・サクソフォーンのソロ楽器としての技術的な特性が十分に引き出せるようにリズムや音楽構成を工夫しています。Ⅰ - Allegro con motoはソナタ形式で書かれています。序奏では、曲中に多用される9thの和声の響きや第一主題のリズム・パターンが、同音連打による華々しく説得力のあるオープニングを彩ります。2つの主題のモチーフはバリトン・サクソフォーンによる大きなカデンツァを経て、壮大な音楽へと発展しますが、音楽は最後まで一貫性を保っています。Ⅱ - Lento ma non tanto も第一楽章と同様にソナタ形式となっています。バリトン・サクソフォーンの低音域の表現とフラジオレット奏法の技術の高さが要となる楽章です。Ⅲ - Allegro Scherzando は、短いロンド形式でつくられ、それまでの楽章とは全く違う、明るい音楽が奏されます。バリトン・サクソフォーンには高い運指技術が要求されますが、あくまでも楽しくおどけるような音楽的要素が随所に散りばめてあります。
この作品は、第31回TIAA全日本作曲家コンクールにて審査員賞を受賞しました。
群馬県出身。昭和音楽大学サクソフォーン専攻を卒業。15歳よりサクソフォーンをはじめる。これまでにサクソフォーンを斎藤 尚久氏、福本 信太郎氏、作曲を後藤 洋氏に師事。 大学在学中より、サクソフォーンによる演奏活動を行ってきました。また、各種演奏会やイベントの企画・運営を行うと共に、大学在学中から本格的な作曲・編曲活動を行ってきました。作曲については、中学生の吹奏楽部の活動がきっかけとなり、吹奏楽の作品を中心として作曲・編曲をしてきました。その後、大学在学時より本格的に作曲のレッスンを受け、現在に至ります。学内での作品発表会への推薦の他、第31回TIAA全日本作曲家コンクールで審査員賞を受賞しました。主に演奏者としての経験と楽器の指導経験を生かした器楽作品の作曲・編曲に活動しています。