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原初の在り様、かつての楽園の姿。でも、いまはもう灰の中の燠のような記憶。時を経て僕のうちに結晶化してゆく音楽への感性が、いつしか僕に、そんな燻る記憶の存在を仄めかすようになった。
それは時として回想のように、あるいは微かな閃光のように、全てがひとつであった状態を垣間見せる。仮にそれが原初の光の弱々しい反映にすぎないのだとしても、この回想をとどめ得ることこそが、創作行為において、奇蹟とも呼び得るできごとなのかもしれない。
命に刻まれた遥かなるあの場所へ。僕らなりのやり方で、現在のこの在り様の中で、いま一度そこへ到り着くために。どれほど微かであったとしても、希望はやがて来たる時間の中にあり、音楽こそが、これまでもこれからも、真に人類を明るい場所へ導く存在なのだと。1stアルバム『arbores』には、そんな僕の想いが綴られている。