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1967年に誕生し、翌68年に消滅してしまったジャマイカのレア・レーベル「Links」。
一般的な知名度はないが、ケン・ブースのあの名曲「Can’t You See」をリリースしたレーベルとして、コレクターの間では重要な存在である。
レーベルの創立者は、B.B. シートン。
スカ~ロックステディ期に大ヒットを連発したゲイラッズのリーダーである。
このレーベルが重要視されるのは、もうひとつ理由がある。
当時、大物プロデューサーのもとでいくらヒット作を生み出しても、まったくカネが入ってこなかった。
この搾取体制に反旗を翻したのが、シートン率いるゲイラッズはじめ、レーベルに賛同したビッグネームたちだ。
ケン・ブース、デルロイ・ウィルソン、そしてメロディアンズ。
この4組のアーティストが、共同体として集まり、すべての権利、配当をその手にするために、生まれたレーベルなのだ。
楽曲制作、アレンジ、プロデュースに、シートンが深く関わり、また各アーティストも、自分たちのすべてを出し切ったかのような、これぞロックステディという粒ぞろいの楽曲が送り出された。
レーベル名「Links」、そしてロゴの鎖は、彼の鉄壁の結束を象徴していた。
しかしながら、大物プロデューサーたちによる全方位の妨害にあったため、ヒットには恵まれず、また、内部での分裂が起きる不幸もかさなり、このジャマイカの音楽史上の果敢な試みは、たったの2年で幕を降ろしてしまうのだ。
Linksの作品が集められたアルバムは、本作が初であり、針を落とした瞬間、このレーベルのクオリティ高さが伝わってくる。
そんな楽曲のオンパレードだ。
コアなロックステディのコレクターはもちろんだが、ジャンルを超えて広く聴いていただきたい素晴らしい作品となっている。