波と踏切のジャケット写真

失うものなんてない いや始めから何もなかったんだ

もう全部どうでもいいとアクセル踏み込んだ環状線

ハンドル握る手に 浮き上がった静脈が青白く

生々しいほどに ルームランプに照らし出された

「都心は今夜季節外れの寒波に見舞われます」

FMのキャスターが無感情に伝えている

外で凍えてた未練も後悔も轢き殺して

ついでに大切な何かも引き裂いた気がした

ずっとそばにいるよ そう言っていた君が

今は僕の知りようのない 誰かに抱かれている

呆気ない終わりに 悲しいも虚しいもない

世界はそんな薄情さで回り続けてるから

ぽつり ぽつり ぽつり 霙が

ぽつり ぽつり 窓に 砕けた

全部君が悪いなんて思いが不意に溢れるけど

きっと僕だってそう 知らず知らず君を傷つけて

必然だったんだ 埋まらない溝が生まれたのは

どちらのせいでもない いやでも全部君が悪い

君との日々も 淡い期待も それを悔やんだ今日も

忘れたことにしよう 忘れるその日まで

ずっとだなんて言葉に永遠を感じてた

今じゃもう馬鹿馬鹿しくて笑えてくるけど

少し開けた窓から冷え切った風が吹く

籠もった空気の車内には丁度良いなんてくしゃみした

ぽつり ぽつり ぽつり 霙は

ぽつり ぽつり 肌に 冷たい

最後だけ見ちゃえばさ こんなオチになったけれど

その時々の君の言葉に嘘なんてなかったんだろう

このまま遠くへ ずっと遠くの場所へ

消えてしまいたいな 街の灯は疎ら 君にさよなら

ずっとそばにいるよ そう言っていた君が

今もきっと同じこと 誰かに囁いている

いつか行き止まりは訪れる そんなの分かってる

分かってはいるけれどなおも加速してくよ

ぽつり ぽつり ぽつり 呟く

ぽつり ぽつり 声が 震えた

  • 作詞

    Wazaza

  • 作曲

    Wazaza

波と踏切のジャケット写真

モクメルイボス の“霙”を

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