未記入の行き先

すれ違いのまま季節が過ぎ、言えなかった想いを胸にしまったまま、
ひとり始発に揺られて空港へ向かう朝。
行き先を書かずに残した手紙は、最後の気持ちを託した“別れの印”——。

愛されたいのに届かない。
追いかけてほしいのに、追いかけてこない。
そんな 報われない恋の切なさを、
歌謡曲ならではの濃密なメロディと、
どこか懐かしい情緒で描き出す一曲。

柔らかな女性ボーカルが、
「言えばよかったこと」「言えなかった言葉」を静かにすくい上げ、
胸の奥に積もった未練ややるせなさを、
朝の光に滲ませるように歌い上げます。

思い出にすがりながらも前へ進もうとする、
“大人の恋の終わり”を描いたドラマティック歌謡バラード。
聴き終えたあとに、そっと余韻が残る作品です。