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妖怪POTECHI-GOHAN - New Journey
"さよなら"のその先へ、そっと歩き出すための1曲。

東京を拠点に活動するシンガーソングライターRYOTAROによるソロプロジェクト、妖怪POTECHI-GOHAN。
その最新曲 "New Journey" は、別れの瞬間ではなく、その少しあと - 言葉にならなかった感情と、静かに残された想いの余韻を描いた1曲です。

"New Journey" は典型的な別れの歌でも、悲しみに浸るバラードでもありません。
むしろ焦点が当たっているのは、"言えなかったこと" や "交わせなかった言葉"、"鳴らせなかった鐘" といった、記憶の中で何度も思い返すしかできなかった瞬間です。

"どんなメッセージだって、今日は無くたっていい"
"鳴らし損ねた鐘"
"さよならと言った方がすぐに笑い合えたな"
歌詞の中に繰り返し登場するこれらの言葉は、感情の未完成さや不器用さを静かに肯定します。
別れがつらかった、悲しかったというよりも、それでも確かに大切だった日々をどう受け止めるか - そんな内省がこの楽曲の根底に流れています。

楽曲のアレンジはミニマルであたたかく、淡々としたピアノやレイヤーされたテクスチャの上に、語りかけるようなボーカルが乗る構成。感情を過剰に演出することなく、聴き手それぞれの記憶や感覚に寄り添うような仕上がりになっています。

曲の終盤、アウトロでは最初に"鳴らせなかった鐘"がようやく鳴り響く描写が登場します。
これは、言えなかった想いが時間をかけてようやく形になる瞬間、あるいは、もう届かないと知りながらもそれでも祈るように願う心の動きを象徴しているようにも感じられます。

"New Journey" は、過去と向き合うための曲ではなく、過去とともにこれから歩き出すための曲です。
あのとき伝えられなかった想い、すれ違ってしまった記憶、それでも大切だった日々。そういったものをなかったことにせず、そのまま抱えて"次"へと進む。そんな静かな決意が、この1曲には込められています。

"これは"さよなら"のための曲じゃなく、前に進むための曲。
言えなかったことも、渡せなかった気持ちも、全部連れて歩いていくための歌です。"

"New Journey" というタイトルには、「本当のはじまりは、別れのあとにやってくる」というささやかな希望が込められています。
言葉にできなかった思いがある人、いまでも思い出す風景がある人、自分の不器用さごと受け入れてくれるような音楽を探している人に、ぜひ聴いてほしい楽曲です。

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