Lyric

それでよかった

あなたのことを 街で見かけたの

ベビーカーを押しながら

信号待ちのその横で

キレイな人があなたに微笑んでた

手に持ってた紙袋の中には

子どもの絵本が見えた気がして

ああ 今 あなたは

誰かの大切な毎日なんだね

別れを決めたあの日のこと

あのコンビニの駐車場で

雨の中 車の中で泣いた私に

「自由になりたい」と言ったあなた

本音だったとわかってた

でも言葉が刺さって抜けなくて

あれから何度も

自分を責めた日もあった

でも 今日のあなたの顔を見て

やっと 心がそっと言えたの

「これでよかった」って

あの時の選択が

未来のあなたを守っていたなら

私はそれでいい

傷ついても あの日の私を

今は少し 誇りに思えるの

あれから私は 仕事に追われて

ひとり暮らしにも慣れてきた

コンビニの袋の中身はいつも

自分だけのための夕ごはん

でもたまにふと思い出すの

ふたりで見た映画のラストシーン

あなたが笑ってた場面だけ

やけにくっきり 覚えているの

恋に臆病になった時期もあった

愛されることが 怖かった

でも最近やっと 少しずつだけど

誰かと未来を話せるようになった

カフェの窓に映る自分が

少しやさしい顔してた

あなたに見せたことない

こんな笑顔もあるんだね

きっとあなたも 今 幸せで

誰かを支えながら生きている

私も私の場所で

小さな喜びを見つけてる

交わらない道の途中

ふと重なった今日だけど

ちゃんと前を向いて

それぞれの明日へと歩いていこう

愛してたことは まちがいじゃない

でも いまの自分を肯定できる

あなたを忘れたわけじゃないけど

もう “戻りたい”とは思わない

振り返るたび

胸があたたかくなるように

あの日の涙さえも

私の強さになっていたから