歌詞

きんいろの風が袖をなでて

ポストカードみたいな空

川沿いの土手に光の波

すすきの穂先が揺れている

猫と肩を並べながら

胸の呼吸が静かにそろう

指先にとまる細い陽射し

遠い踏切が淡く響く

きんいろのかぜだよりを読みながら

今日の言葉をほどいていく

やわらかな影のリズムのままに

明日の入口を見つけ出す

自転車の影が道を横切り

小さな雲が列を作る

猫のひげがきらり光って

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して目を閉じれば

胸の鼓動がそっと整う

きんいろのかぜだよりを読みながら

言葉はそっと澄んでいく

風の手紙のぬくもりだけ

胸にしまって歩いてく

水面の反射がページを照らし

小石がひとつ音を立てる

猫がしっぽで前を指して

角の向こうへ誘ってくれる

ポケットの中の切手の絵柄

季節の端が少し色づく

名前のない宛名を書いて

自分宛てに風を出す

きんいろのかぜだよりを読みながら

今日のページをとじていく

やさしい風に手をひかれて

明日のページをひらいていく

同じテンポでならぶ足音が

静かな終止にほどけていく

夕陽の縁を追いかけながら

猫と家路の角を曲がる