

夜がほどける その少し前
山の端だけが 白んでゆく
誰も気づかない 色の名前を
わたしは先に 見つけていた
春なら 朝がいい
夏なら 夜がいい
秋には暮れてゆく 空を見たい
冬ならまだ 人の声もない
冷たい朝が いちばん澄んでいる
好きなものには 理由などなく
嫌いなものまで 愛せはしない
誰かが決めた美しさより
この目に映ったものを 信じたい
消えてゆくことを
知らなかったわけじゃない
だからこそ
光を 覚えていたかった
美しさの側で
わたしは今日も 目を凝らしている
春が春である その一瞬を
見逃さないように
すべてが変わっても
美しいものまで 嘘にはならない
世界がどちらへ 傾いても
わたしはここで
美しいと言う
御簾の向こうの 笑い声にも
扇の陰の ため息にも
明日を知らない その横顔にも
光はたしかに 差していた
悲しみだけを 本当と呼べば
笑った日まで 嘘になる
終わりを知った そのあとでも
美しかったことは 消えはしない
美しさの側で
わたしはずっと 見つめていた
夏の闇をゆく 小さな光も
暮れてゆく 秋も
何かを失えば
すべて悲しく 書けばいいのですか
世界が静かに 変わっても
わたしはここで
美しいと言う
見えていなかったのではない
消えてゆくものも
離れてゆく人も
見えていた
だから
朝の紫を
夜の蛍を
夕暮れの空を
雪の白さを
ひとつずつ
選んだ
美しさの側で
わたしは最後まで 目を逸らさない
春が春だった その一瞬まで
誰にも奪わせない
泣かなかったのではない
悲しくなかったのでもない
ただ 悲しみの側だけに
立たなかった
世界がどれほど 変わっても
朝はまた 白みはじめる
だからわたしは
美しさの側で
今日も
美しいと言う
- 作詞者
ドラマチカ
- 作曲者
ドラマチカ
- プロデューサー
ドラマチカ
- ボーカル
ドラマチカ

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美しさの側で
ドラマチカ
清少納言をモチーフに、移ろう季節や消えていくものの中にも、美しさを見つめ続ける心を描いた一曲。
『枕草子』にも通じる感性をもとに、自分の目で世界を見つめる強さと、儚い瞬間へのまなざしを表現しました。
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ドラマチカ
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