歌詞

真っ暗な筒の先に　薄暗い地面

雑踏の中に潜む　鉛玉をもった持ち主

引き金が引かれれば俺は飛び出すだけだ

背中が熱くなった瞬間　もうすでに外の世界

筒の中で聴いたラジオやTVで流れていた

有名政治家ってのはこいつだったのか

気づいたときにはもう通り過ぎていた

周りのだれかが叫んでるのが聞こえるか

俺はもう役目を終えた

スポットライトはほんの一瞬

現場から離れた壁の中に俺は収まった

しばらくサイレンが鳴ったが　すぐにダレもいなくなった

人通りの多い街さ　行きかうのは人と車

一台くらいは混ざっている制御不能のトラック

動くことはできない俺は近づいてくるのをただみていた

壁とともに崩れ去って車の破片とごちゃまぜ

また何人かが叫んで静かになった

そのあときたのは事故処理車

俺もまとめてスクラップ行きだ

ガタガタ揺れるトラックの中で車のパーツ達と一緒になった

「このあとはどこに行く？」

俺よりでかい鉄屑が教えてくれる

「みんな一緒くたに溶かされるのさ」

「それから？」

「さあな」

鉄屑の言った通り赤々とした沼に落とされた

人生二度目の熱さ　鉄屑達と一体になった

[Hook]

撃ったのはだれ

撃たれたのはだれ

おれはだれ

だれになれるのか

ぐちゃぐちゃでどろどろ　その時の記憶は曖昧

そのときはだれかで誰でもなくなって

金型にぶち込まれるまであっという間に寒くなる

ひと回りでかくなった金属の塊

また出荷されてたどり着いた芸術家の家

かなり売れっ子だが変わり者みたいだな

家中彫刻だらけ　客人はだれもない

目を覚ますと俺がガリガリ削られる

かなり痛い施術の後　鳩の形に彫りあがった

また箱に入れられて丁寧に梱包

今度は飛行機でインポート

ライトが当たって美術館の中

ガラスケースの中でじろじろ見る

金持ちの子どもやどこかの政治家

俺ももう熱い思いもしなくていいしな

こんな平和をずっと願うよ

[Hook]

撃ったのはだれ

撃たれたのはだれ

おれはだれ

だれになれるのか

撃ったのはだれ

撃たれたのはだれ

おれはだれ

だれになれるのか