灰皿に口づけのジャケット写真

歌詞

夜更けの嘘つき時計

夏目そら

カチリ カチリと 秒針が

夜更けの部屋に 響いてる

湯気の消えた 味噌汁と

冷めた心が 向かい合う

「あと十分で帰るよ」と

受話器の向こうの 酔い声に

また始まったと ため息ひとつ

口紅の跡を 拭き取った

窓を叩いた 雨の音

時計の針だけ 正直で

男の時間は 都合よく

遅れたりして 進まない

待つ女ほど

綺麗になるなんて

そんな嘘まで

誰が言い出したの

眠れないまま

朝を迎えるだけ

夜更けの嘘つき時計

何度あたしを 騙したの

「ごめん」の数を 数えても

幸せには届かない

夜更けの嘘つき時計

今夜も二時を過ぎてゆく

惚れた弱みと 笑うけど

ほんとは寂しかったの

壁時計の音に寄り添うように

ピアノが静かに夜を刻む

テーブルの上の 灰皿には

短くなった 煙草だけ

「帰ったら話そう」

その話さえ 聞き飽きた

若い頃なら 泣いたでしょう

荷物まとめて 飛び出した

だけど今では お茶を淹れ

馬鹿ねと笑える 歳になった

男はきっと

ひとりじゃ弱い生き物

女はいつも

強いふりが上手ね

それでも今夜

鍵は掛けずに待つの

夜更けの嘘つき時計

あんたの嘘を 知っている

帰る場所だけ 失くさずに

生きていければ いいのでしょう

夜更けの嘘つき時計

朝焼け色に 染まる頃

「おかえり」なんて 言いながら

また許してしまうのよ

それが女の 馬鹿さかしら

カチリ カチリと 秒針は

何もなかった顔をする

冷めた味噌汁 温めて

今夜も夜明けを 迎えるの

馬鹿ね……

ほんとに馬鹿ね……

  • 作詞者

    夏目そら

  • 作曲者

    夏目そら

  • ミキシングエンジニア

    夏目そら

  • ギター

    ポン汰

  • ドラム

    ポン汰

  • ボーカル

    ポン汰

  • ピアノ

    ポン汰

  • サックス

    ポン汰

  • その他の楽器

    ポン汰

灰皿に口づけのジャケット写真

夏目そら の“夜更けの嘘つき時計”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

ネオンに揺れた恋も、嘘に濡れた夜も、拍手に包まれた舞台もあった。

愛されることを夢見て、傷つきながらも口紅を引き直し、朝を迎えてきた女たちへ。

『灰皿に口づけ』は、昭和のジャズ歌謡とブルースの香りをまとった、大人の女性たちの物語。

雨に消えた約束。
赤いヒールに隠したため息。
港の灯りに重ねた願い。
鏡の向こうで微笑む、あの日の自分。

恋をしたからこそ優しくなれた。
涙を知ったからこそ、強くなれた。

これは、誰かを恨むための歌ではなく、
愛した日々に「ありがとう」と口づけを贈るためのアルバム。

煙のように消えていった思い出さえ、
きっと人生を彩る宝物だったのだから。

アーティスト情報

"