1
Cradle
2
DEROLI
3
de Ray (feat. Jody Tenku)
4
Juanita
5
Celeritas (feat. PALMECHO)
6
Hepta Speculum (feat. PALMECHO)
7
Dalliance
8
Era-Sure
9
Hepta Speculum DUB
10
Circle of light
11
Waltz for Days Gone
12
Lapse of memory
13
SADistortion
14
ATGC
15
Shadows
16
Tunnel (feat. Jody Tenku)
17
Stem Siren
18
nuizzz
19
SADistortion+ (feat. Nanao)
20
Oblivion
21
Filmy (feat. Jody Tenku)
22
Shura bula (feat. Jody Tenku)
23
Filmy Gossip (feat. Jody Tenku & PALMECHO)
24
Mensch
25
Zone Zero (feat. tone.)
26
100years of Solitude
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ロック・ギタリストのリーダー作品 / ソロ作品をあまり目にしなくなって久しい。メディアが、マスが、Eric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageを“3大ギタリスト”と称した時代は過ぎ去った。現在もギタリストは数多存在するかもしれないが、孤独な表現者としてのロック・ギタリストはあまりに少ない。かつてはその行為自体がスリリングだったエレクトリック・ギターの演奏と技術を論じる場は、表層においては何かに付随するか、ニッチもしくはオブスキュアなものと言って差支えないだろう。スリリングな何かを、ギター演奏にフォーカスする以外にわたしたちは多く知り過ぎているのだ。ソロのロック・ギタリストとはすなわち、絶滅危惧種を意味する。当人にとってもハイリスクな選択だろう。だが『SADistortion』からは、“現行の”孤独なエレクトリック・ギタリストによる孤独な表現が零れ落ちる。
AUDIO ACTIVEがレゲエ / ダブのカテゴリにおいて真にイノヴェイティヴな存在であり、フィールドを越境して常に最前線を張ったバンドでもあることに誰も異論はないはずだ。Cutsighがこれまでに邂逅を果たした面々もまた、既存のスタイルを更新する仕事で知られる人物ばかりだ。そのイメージと培った技術 / アイディアはキープしながらも、より内面 / 記憶にダイヴしてゆくCutsighのソロ・ギター。記憶とは、その人そのもの、オリジナルを意味する。ポストパンク / ニューウェイヴの騒乱を通過したからこそ得られたと言えるVini Reilly(THE DURUTTI COLUMN)のスタイルが最も重なるが、長年身を捧げたダビーな音像や、敬愛するJeff Beckの姿を見出すのも難しくはないだろう。無類の読書家である事実も大きく影響しているはずだ。NANAO(dr)、PALMECO(dr)、Jody Tenku(g)、tone.らゲスト演奏陣、そして『LOOP』に引き続きカヴァー・アートを手掛けるSHOHEIの存在は、外部記憶として河西裕之という人物の像に輪郭を添えている。
AUDIO ACTIVE、MELONMANの一員として知られ、DRY & HEAVY、DOOOMBOYS、FORCE OF NATUREでの客演、Jemapurとの“DELMAK”、勝井祐二(ROVO)とのデュオ“St.Rings”、"SAFI"のプロデュースなどでの活動のみならず、ソロのコンポーザー / プレイヤーとしても活動するギタリスト。2011 年に初のソロ・アルバム『Pipedreams』をカセットテープ・フォーマットで発表。2015年にはイラストレーター・SHOHEIとのコラボレーション・プロジェクト“LOOP”をスタートし、ヴァイナル作品『LOOP』のリリースに加えて各地でのエキシビションも展開。エキシビションは日本国内に留まらず海外からも招聘され、2017年に仏パリにて開催。2018年8月にはセカンド・アルバム『SADistortion』の発表も兼ねて米シアトルでエキシビションを展開。2020年にAUDIO ACTIVEの盟友 Nanaoとの秘蔵音源も収録された『Oblivion Tapes』をカセットテープ・フォーマットで発表。
Phaseworks