

はじまりは 神々の怒り
火を盗んだ男 プロメテウス
人間に与えた その光の代償に
罰として その女は創られた
その名はパンドラ すべての贈り物
神々の美しさ 知恵と魅力 そして好奇心
彼女に託された 一つの箱
「決して 開けてはならぬ」と
それは言葉ではなく 問いかけから始まった
その口唇は何のため?
ただ喋るため?食べるため?
彼(エピメテウス)は戸惑い 私を見つめた
答えの代わりに 私はそっと
口唇で その謎をふさいだ
出会いはやがて 運命を揺らす
禁じられたものへと近づく衝動
ふたりの影が重なった夜に
まだ知らぬ未来が 静かに目を覚ます
箱からあふれた 見えない影たち
病、嫉妬、争い、老い、そして死
今まで知らなかった 苦しみの名が
空を裂き 地を這った
蓋を閉じても 戻らない日々
祈るように震える指先
その奥に まだひとつだけ
灯るものがあった
それは希望 小さな火
すべてを失った世界に ただ一つ残った
神々さえ奪わなかった 最後の贈り物
絶望の中に 咲いた願い
だから今 歌い継ぐ
苦しみの奥に 必ずある光を
パンドラが残した
たった一つの救い
それが私たちの 「生きる理由」
- Lyricist
ReiwaHōshi
- Composer
ReiwaHōshi
- Producer
ReiwaHōshi
- Other Instruments
ReiwaHōshi

Listen to Pandora - Hope at the Bottom of the Box" by ReiwaHōshi
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Pandora - Hope at the Bottom of the Box"
ReiwaHōshi
この楽曲は、ギリシャ神話の一編「パンドラの箱」を題材にした、物語解説型の歌です。「神話の物語を1曲にする」ことをコンセプトに、聴くことで神話の世界を感じられる楽曲を創作しています。
この曲では、災厄と希望の象徴であるパンドラという女性を中心に、人間の「知りたさ」「触れたさ」、そして「それでも生きていく理由」を描きました。
パンドラの神話の概要ギリシャ神話において、神々に火を盗んで人間に与えたプロメテウスは、ゼウスの怒りを買います。その報復として、人間に災いをもたらすために創られたのが最初の女性・パンドラです。彼女は「すべての贈り物(パン=全て、ドラ=贈り物)」という名の通り、美しさや好奇心など様々な才能を神々から授かりました。
神々から与えられた箱(壺)には、決して開けてはならないという禁忌がありました。しかし、パンドラはその好奇心に負けて箱を開けてしまい、そこから病、死、争いなどのあらゆる災厄が世界に解き放たれてしまいます。彼女が慌てて蓋を閉じた時、箱の底にはただひとつだけ――「希望(エルピス)」だけが残っていたと言われています。
だから人間はどんなに辛い状況になっても、
希望だけは失わずに生きていけるんだと。