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──蒼の深度を、声で刻む。
タイトルどおり“青”を核に据えたコンセプト・アルバム『BLUE』は、野村 空が“自らの歌声”を全面に押し出して届ける初の作品であり、通算4枚目となるリリースだ。空へ弾ける解放感と、静寂へ沈む孤独感──その二面性をわずか2曲で描き切る本作は、これまでAIボーカルやゲストシンガーを起用してきたシリーズの流れを更新し、アーティスト自身の肉声が物語をいっそう鮮烈に彩る。

Track 01「Sora」
虹を見つけた瞬間の胸の高鳴りをそのまま音像化した、アップリフティングなロックナンバー。跳ねるドラムとタイトに刻むベースが疾走感を生み、クリアなアルペジオと壮麗なコードワークが青空の眩しさを映し出す。野村 空のヴォーカルは力強さと透明感を兼ね備え、サビでは羽根が生えたような解放感を呼び覚ます。アウトロに残る余韻は、晴天の真昼に漂う雲の白さと相まって、聴き手の中に“どこまでも飛べる”という希望を灯す。

Track 02「Stilleblue」
深いリヴァーブをまとったピアノの残響から幕を開ける、夜を想起させるバラード。しとやかに降りしきる感情を刻むドラム、低域で脈打つベース、湿度を帯びたシンセ──その隙間を縫うように置かれたピアノの単音が、街灯の淡い光を彷彿とさせる。歌詞に繰り返し登場する〈儚く散った夢の欠片〉は、過去と現在の狭間で揺れる孤独を示唆し、サビで張り裂けるように伸びるファルセットが、蒼黒い夜空を裂く閃光となって胸を貫く。“静寂を問う声”は、野村 空、自身の声だからこそ、聴き手の深層へ届く痛みと優しさを伴う。

コンセプト
廃墟に吹き込む風、天井の欠落を通して覗く星雲、そして一歩踏み出すたびに舞う埃──そのすべてを“青”の濃淡に置き換え、サウンドとリリックでグラデーションを描いた。光と影を単純な二項対立ではなく、同じ色相に共存させることで、それぞれが抱える“未完成の欠片”を照らし出す。今回、野村 空はあえて装飾過多なアレンジを避け、ギター・ベース・ドラムという王道バンド編成にシンセの薄膜を重ねただけのシンプルな構成を選択。結果、ヴォーカルが主役として際立ち、リスナーの心象風景に直接語りかける余白が生まれた。

4枚目にして到達した“声”の現在地
シリーズを追ってきたファンなら、本作で聴ける呼吸混じりのブレスや語尾のかすれに、これまでにない生々しさを感じ取るだろう。AIボーカルによる完全無欠の滑らかさや、ゲストシンガーの卓越した技巧ではなく、揺らぎや脆さまでも抱え込んだリアルな歌声。そこに宿る“未完成ゆえの美しさ”こそ、『BLUE』が鳴らす最大の核心だ。野村 空は、あえて傷さえ映す鏡を差し出すことで、聴く者ひとりひとりの“蒼”を共鳴させ、孤独を抱く全ての心と空を共有しようと試みる。

蒼の深度を、声で描く──
快晴のスカイブルーも、胸をえぐる群青も、どちらも同じ空の表情のひとつにすぎない。『BLUE』は、そのグラデーションを2曲という最小構成で描く挑戦であり、通算4枚目にして最もパーソナルな告白である。今、空を見上げるあなた自身の“青”を、この声、この音に重ねてほしい。

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