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今回は、デジタルディレイを開発して、シンセサイザーシステムのフィルタとして用いました。このエフェクトは、入力した音を短時間遅らせて繰り返し再生することができます。採用したデジタルディレイ用の集積回路(IC)に可変抵抗を接続して、遅延時間を制御することができます。手動で可変抵抗を操作することにより、遅延時間が徐々に変化します。遅延時間を変化させることで、繰り返して再生される音色が少し変化します。また、回路を変更してエフェクトをエコーに変更できます。このエフェクトは、入力した音を長時間遅らせて繰り返し再生することができ、再生される音は聞き分けることができます。この作品の1曲目から3曲目で、pulse-width modulation (PWM) 信号をこのディレイに入力しました。遅延時間を制御する可変抵抗はランダムに操作しました。アナログフィルタは、PWM信号を用いてランダムに音色を制御します。しかし、このディレイは、人間がランダムに音色を制御します。そのため、これらのフィルタの音色の変化は異なります。5曲目と6曲目で、ハードな音色を作るため、PWM信号を白色化フィルタに入力して、このフィルタから出力されるランダム信号をこのディレイに入力しました。5曲目で、遅延時間は一定でした。6曲目で、遅延時間を制御する可変抵抗をランダムに操作しました。また、2曲目と5曲目のエフェクトはエコーを用いました。デジタルディレイは、入力信号の特徴を保ち再構成することができるため、アナログフィルタとは異なる効果を作ることができます。デジタルディレイとアナログフィルタの出力信号をミキサーでミックスして、斬新なノイズミュージックを制作しました。
1966年生まれ。東京で1986年からDissecting Tableという名義でノイズインダストリアルミュージックの制作を開始して、1998年に、故郷の広島に戻り音楽活動している。主に自主レーベルUPD OrganizationとヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきた。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行うようになる。現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作している。
UPD Organization