

君の声がもう聞こえない
街はいつもと同じなのに
胸の奥にぽっかり残る
空白だけが増えていく
「大丈夫」と笑った僕の
言葉は全部嘘だった
壊れそうな心抱え
誰にも言えずにいたんだ
消えてしまいたい夜に
君の名前を呼んでいた
恋の残響に縋るたび
生きる意味を探していた
痛みの中にまだ
君への愛が光っている
冷たい雨が降りしきる
希夏の空に問いかける
もしももう一度会えるなら
僕を叱って欲しいよ
孤独に押し潰されても
心臓はまだ動いてる
だから今日もただひとり
君を想って息をする
消えてしまいたい夜に
君の笑顔を探してた
恋がくれた傷跡さえ
愛の証だと信じたい
暗闇の果てにきっと
君が待っている気がした
- Lyricist
SANO RYOTA
- Composer
SANO RYOTA
- Producer
SANO RYOTA
- Guitar
SANO RYOTA

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On the nights
SANO RYOTA
「9月の夜に」は、失恋と深い孤独、そして自らの存在価値を問いかける心情を描いた楽曲です。タイトルが示すように季節は秋の入口、夏の熱気が去り、街に冷たい雨が降りしきる9月の夜を舞台にしています。その情景は、恋人を失った主人公の心の空虚さと絶妙に重なり合い、聴き手に深い共感を呼び起こします。
歌詞は冒頭から「君の声がもう聞こえない」という一文で始まり、既に失われてしまった大切な存在を想う気持ちをストレートに表現しています。街はいつもと変わらない日常を繰り返しているのに、自分の心の中だけが壊れてしまったように空白で満ちていく。その対比が孤独の大きさを際立たせます。
サビでは「消えてしまいたい夜に 君の名前を呼んでいた」と、絶望と未練の入り混じった叫びが描かれます。しかし同時に「生きる意味を探していた」「痛みの中にまだ 君への愛が光っている」と続くことで、単なる絶望ではなく、苦しみの中にわずかな光を見出そうとする主人公の姿が浮かび上がります。ここには、人が本当に追い詰められた時にもなお「愛」が心を支えているという普遍的なメッセージが込められています。



