リリース日: 2026/08/02
※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
ロックンロールの成分は熱狂と純情と儚さだ。この3つが織りなすエネルギーのアートがロックンロールだと僕は思っている。
それは先人チャック・ベリーの時代から70年変わることがない。そして2026年、極東の島国で、正しく継承しているのがUNCLE JOHNなのかもしれない。50年代のロカビリー、60年代のマージービート、70年代のパンクロック。その深い部分で眠る熱狂と純情と儚さを呼び起こし、UNCLE JOHNは自分たちのものにした。
先行シングルになった「Sugarless」は “黒人みたいに歌いたいんだけど、どうすればいいかわからねー” というイギリスのビートグループの開祖たちの叫びを感じさせてくれる。さらにThe Shangri-Lasの名曲でTHE DAMNEDの「New Rose」にも引用された「Leader of the Pack」に潜んだ純情、若くして星になったバディー・ホリーやエディ・コクランのような儚さが存在している。ジェリー・リースタイルの伊東ミキオのピアノがロールして、そこに吸い込まれるようにバンドは独自性の高いグルーヴを織りなす。それは音の塊となって、心の深い部分をノックする。
「夢のプロム」は、エルヴィス・プレスリーの「Heartbreak Hotel」をジーン・ヴィンセントが「Baby Blue」で継承したように、その現在進行形として存在しているミディアムナンバーだ。そして「ミスターマスタング」で聴かせるNANAの巻き舌のFlapperぶりは本物だ。自由奔放さと純粋さが背中合わせになった彼女の歌声に痺れっぱなしだ。書き出せばキリがないのだが、こんな風にオリジナルソングが最高に素晴らしい。
UNCLE JOHNのライヴを初めて観た時、僕は、「SLOW DOWN」や「BAD BOY」といったラリー・ウィリアムズのカヴァー曲の熱狂に圧倒された。ここに収録されている「Roll Over Beethoven」はその熱狂をマキシマムに体現している。そしてその時奏でられたオリジナルソングをこうやってスタジオ・レコーディングされたものを聴くと、その緻密さとロックンロールの今日的な解釈に驚く。それは決して懐メロにならないように、歴史を俯瞰した上で時代ごとの良質なエッセンスをマッシュアップしているということだ。そしてその根底には熱狂と純情と儚さが確実に存在している。日本のリーゼントカルチャーに目をやると、1972年にCAROLが登場して、その30年後にTHE MACKSHOWが登場している。そしてあれからもうすぐ30年。UNCLE JOHNの登場は必然なのかもしれない。彼らは確実に日本のロックンロールの先頭を走るだろう。
文:本田 隆
京都発、ロックンロールバンド。ルーツミュージックを現代の感性で鳴らすオリジナル楽曲と、豊富なカバーレパートリーが特徴。夜な夜なオールドスクールな箱バンで鍛え上げられたNANAのボーカル、TAROのギター、KANTAの力強くタイトなドラム、工程を自ら構築するTAROの弟・SHINPEIのベースでライブを展開。レコーディング、ジャケットデザイン、写真・映像撮影にいたるまで、すべてのクリエイティブを自ら完結させる完全自主制作(セルフプロデュース)スタイルを貫く。これまでに Paul Simonon (The Clash)、The Kaisers、Charles Berry III といったアーティストとの共演や、海外公演、ドイツでの音源リリースなど、国内外のロックンロール・シーンで活動中。
Melted Butter Records