Lyric

知らない誰かが貼ったタグに

気づかぬうち　なぞられていた

書かれた言葉に埋もれた僕を

誰ひとりも見つけないまま

切り取られた瞬間だけが

“自分らしさ”として拡散する

止めようとするほど

像は勝手に歩き出していた

それは僕じゃない

何一つ本当じゃない

誰の言葉で歪んだんだ

それすら分からないまま

スクロール　リツイート　引用の連鎖

一向に「見られるための僕」しか残りやしない

これが歪像だ

それは歪像だ

いつも誰かが

スクリーンの向こうで

別人みたいに笑っている

未だ解像度が低いのに

無数の目が僕を見ている

誰一人として本当の僕を見ていない

あれは僕じゃない

これも僕じゃない

それも僕じゃない

どれも僕じゃない

何一つ本当じゃない

息巻いて言ったんだ

「僕は生きてんだ」

一方的な僕の声は届きやしない

これが歪像だ