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風が肌をなぞる心地とか、踏まれない場所に置かれた落とし物とか、お店の張り紙の書き間違いとか、天気がよくてうれしいこととか。
そういう日々の小さい実感のひとつひとつを取りこぼさず残しておきたいのに、記憶というのは不完全すぎて、感じた傍からもう半分くらい忘れてしまっている。
この日々のなかで何を見てどう感じたか、その蓄積こそが私を私たらしめているのだとしたら、忘れていくことは私という存在の拠り所を手放しつづけていることなのかもしれない。だから、この日々を書き留める。それが、私がほかではなく私であるという輪郭を引く最善だと信じているから。
現実のような非現実な、ある1つの人生を描くボーカロイド楽曲を書く。