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歌詞

花瓶と春寒

メレル

枯らした花 これで何回目

いつか君に 教わったんだ

「陽射しをいつも絶やさないでね。」

部屋でイヤフォン外した瞬間の

氷みたいに鳴いた静寂が

永遠に続くような気がした

帰りに通る歩道橋 春の色した花がよく見えるなあ

頭の中散らかったまんまじゃモザイクみたいだ

君の泣き腫らした顔は いやに鮮明なのに

僕には感情なんかいらなかった

寂しさを知ってしまった

頭の奥 まだ暖かくて止まないんだ

その声が

どうしようもない程に咲いた春

ひとりで歩いたってさ

降り積もる雪 今より輝かしかった

そうだ あの日

確かに君が居た

ああ

君は上手に笑えない顔で

言いたい事ひとつも言えなくて

陽の当たる場所 ただ怖がった

真夜中 灯りを消さないように

冬の残り香 抱き締めるように

手を握れたら よかったのかな

いつもと同じ歩道橋 靴音が響く度 振り返った

散り始めてる春の残像 時間は無情だ

君の笑う顔もいつか 薄れていくんだろうか

僕らに感情なんか無かったなら

君はまだ太陽の下

胸を刻むような 痛みに襲われないまま

歩くんだ

「そしたら笑えなくなっちゃうね。」って

君は笑うんだろうな

教室の隅っこで 誰にも聴こえないように

密やかに

ふたり 世界を憎んでいた

僕には感情なんかいらなかった

愛しさを知ってしまった

枯らした今日 また君に照らしてほしかったな

その声で

そうだった 僕ら大嫌いな春

二人で歩いていたんだ

散る桜にさえ 気づかないくらいに鮮やかで

決して消えないように

胸に灯した色が輝いた

そうだ今も 確かに君は居る

ああ

  • 作詞

    メレル

  • 作曲

    メレル

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シンガーソングライター・メレルの1stアルバム。作詞作曲、アレンジ、ミックス・マスタリングを含めすべてを自身ひとりで制作。ボーカロイド発表楽曲のセルフカバーとしてではなく、すべて生身の声で歌う前提で書かれた本作は、自身の内面をより深くまで描写する楽曲群で構成されている。既にMVが公開されている「Minority Orchestra」「low light land」「SLATE DOOR」「花瓶と春寒」に加えて、書き下ろし楽曲を含めた全11曲。

アーティスト情報

Tunnel Light Records

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