

猿沢池のほとり ぼんやり座ってた
日差しは変わらないのに 少し違ってた
塔の向こう 笑う君がいたような気がして
目を細めた午後に 夏の匂いがした
きっと 思い出すって わかってた
あの夏の声が ふいに胸を揺らす
忘れたふりの景色が 今も鮮やかで
たった一度の真っ直ぐが まだ残ってる気がして
私は少し 立ち止まった
駅前の雑踏で すれ違った香り
ふいに君のシャツと 同じ匂いがした
笑い合った記憶も ケンカの理由さえも
ぼんやり滲んで 今日の空に浮かんでた
誰かを想うこと あの夏に教わって
疲れなんて 全然感じやんかったわ
暑さも 人ごみも ぜんぶぜんぶ
あの時間はな
なんかもう キラキラしてたんよ
今やったら ちゃんと言える
わたし、あの夏、
ほんとに 幸せやったんよ
あの夏の声が ふいに胸を揺らす
言えなかった気持ちまで 風がほどいてく
何年たっても、消えない一瞬のまなざしが
今も静かに 背中押すんだ
二月堂から見える景色を ただ眺めてた
あの時と同じ風が そっと髪を揺らした
- 作詞者
CACHO CABARO
- 作曲者
CACHO CABARO
- プロデューサー
CACHO CABARO
- ボーカル
CACHO CABARO

CACHO CABARO の“ナツの匂いと、ラストシーンと。”を
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ナツの匂いと、ラストシーンと。
CACHO CABARO
アーティスト情報
CACHO CABARO
奈良発、青春のきらめきと儚さを歌い上げるシンガーソングライター。 バンドサウンドを基盤にしながらも、アコースティックな温もりとデジタルの透明感を自在に行き来する音作りで、日常の風景をドラマのワンシーンに変えてしまう。 透き通った中に少しハスキーさを帯びた歌声は、どこか懐かしく、聴く人に自分自身の青春を重ねさせる。 「制服の袖が揺れる登校風景」「夕立ちのあとの青空」「終電に揺れる窓の灯り」――そんな普遍的で誰もが経験する情景を、鮮やかに描き出す詩世界は世代を超えて共感を呼んでいる。 活動名「カチョカバロ」は、特定の意味を持たず、響きの心地よさだけで選ばれたもの。意味に縛られないからこそ、音楽そのものに自由さと広がりを与えている。 これまでに発表した楽曲はインディーシーンを中心に口コミで広がり、ライブハウスやSNSで「青春の残像を切り取るアーティスト」として注目を集めている。 聴くたびに「昨日の自分」「あの日の記憶」と再会させてくれる音楽――それが、カチョカバロの魅力である。
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