余視差のジャケット写真

歌詞

余視差

福留 瞬

ピントがずれた瞳の奥で

歪んだままの輪郭をなぞる

定規で引かれたまっすぐな線に

無理に合わせる手首が軋んだ

押し付けられた正しさなんて

見る角度ですぐに裏返る

並べられた記号や数字より

指先の震えのほうが鮮明だ

目盛りを刻む音を塞いで

ミリ単位の誤差に浸ろう

パララックス視界がぼやけていく

重なり合わない焦点のままでいい

綺麗な一枚の絵に収まらなくたって

異なる色をそのまま鳴らしていく

同じ座標に立っているはずなのに

見えている色はどこか違っている

分かり合えるという幻想を捨てたら

ふいに荷物が軽くなった

規格外の歪みを抱えて

はみ出した分だけ自由になれる

パララックス視界がぼやけていく

重なり合わない焦点のままでいい

綺麗な一枚の絵に収まらなくたって

異なる色をそのまま鳴らしていく

完璧な球体なんてどこにもない

いびつな凹凸が擦れ合って火花が散る

その一瞬の眩しさだけを刻み込んで

パララックス視界がぼやけていく

交わらない視線のままでいい

決められたフレームに押し込まれる前に

自分だけのピントで捉えていく

ずれたままの視界で

自分だけの輪郭を描く

  • 作詞者

    福留 瞬

  • 作曲者

    福留 瞬

  • プロデューサー

    福留 瞬

  • プログラミング

    福留 瞬

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    余視差

    福留 瞬

余視差(よしさ)――同じものを見ようとして、位置や基準を合わせてもなお残る、その人固有の見え方の差。定規、目盛り、ミリ単位の誤差、座標、焦点、フレーム――測定と光学の語彙で、他人と重ならない視界を「直すべき誤差」ではなく自分の輪郭として引き受けることを歌う。映画『18歳のおとなたち』主題歌「ぎんいろをふりまきながら」、『ちはやふる』公式イメージアルバム収録曲「フィルムカメラ」を手がけた福留 瞬による作詞・プロデュース作品。

アーティスト情報

  • 福留 瞬

    作詞家。兵頭功海主演の全国公開映画『18歳のおとなたち』主題歌「ぎんいろをふりまきながら」、講談社『ちはやふる』公式イメージアルバム収録曲「フィルムカメラ」などを手がける。自身の作品では、日常の小さな違和感や感情の揺れを、情景の浮かぶ言葉と音にしている。

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