Lyric

火曜日、朝、オフィス街の

声のない人の群れに呑まれる。

教えてよ。

なんのためそこに行くの？

気付いてる？

そう、無数に付いた傷。

紙カップ、

無糖のコーヒーを装備した。

黒くて四角い盾、

掲げてはその身を守る。

守れない。

火曜日、朝、通学路の

声弾む人の群れに呑まれる。

教えてよ。

なんのためそこに行くの？

気付いてる？

そう、無数に付いた傷。

紙切れと、

尖らせた鉛筆を装備した。

白くて四角い盾、

エナメルがその身を守る。

守れない。

火曜日、夜、月明かりの、

帰宅の途につく

疲弊した僕らにはさ。

「仮初の勇気でもいいよ」

そう言って。

ひたすら凌いだ盾、

強い意志がその身を守る。

守れるよ。