Lyric

息を殺して　塒を巻いて

滲み揺れる殻

未だ

仇花に咲いた傷跡を擦り

歪み 笑み 朱で塗り潰し 叫び

耳を塞ぎ 閉ざされた視界は

やがて忘れて 心掠れたまま遠く

壊して 逸らして

今だけ 響いて

うつつに浸れる夢を見ていたいの

「夢から醒めた今、

なんだか種内捕食されたようなシャツに

染み込んだ汗が乾いて

幼い微睡みだけを抱いてダイブする

悪魔と目を合わせながら天使と口づけ交わしている

風呂場にて執拗に篭る白い煙と逸れた午後のこと笑ってしまう

何度も何度も何度も何度も殺してしまう

殺してしまえ、脳裏を駆ける馬 蹄鉄を奪ってしまえ

ハサミで切り取った断片 既に埋め尽くされた壁

何度も何度も何度も何度も何度も

間違えて私は懲りずここに居る

「截断しろ」それは神告

円を描く終身刑が跨る

這いつくばる床さえ用意されず

空の色したエーテルが滴る

鮮血が飛沫を上げてオキシドール垂れ流される

あの日と同じ祈り方であの時と同じ許され方で彩る

傾けたパレットのうえ反芻する断罪を彩色している」

嗚呼 まるでエンドロールのよう

虚ろ

嗚呼 この手を取って

月夜灯し 瞬き消えてゆく

合わせ鏡の私は誰？

あの日言いかけた言葉

今ではきっと幻のよう

繋いで 紡いだ糸

解けた結び目 二度と戻らずに

すり抜けていく

忘れていたかった

殺したくなかった

貴女に成りたかった

何も変わらぬまま私は今此処に居る