

冷えた雪が地表を封じ
無明の帳が密かに満ちる
風に混じった甘い微熱が
現の理をひと息でほどく
雪の原に朱が一輪
誰も触れさせぬ聖域
愛を乞う唄は持たず
沈黙こそがその戒律
幾重に秘めた深い底
澱みきった琥珀の罪
彼方へ消えた翼を
待ち続けるあてなき業
祈りか醒めない呪いか
幻影の約束に囚われ
堅牢な檻が内から軋む
ひとひらまたひとひら
一枚ずつ剥がれ落ちてゆく
身を削ぐように朱を散らして
無垢な雪を汚すがいい
救いは刹那
赦しは彼岸
永い時をかけて朽ちる
逃げ場なきこの世界は
孤独という名の永遠
飾り立てた箱の中
塗り固めた愛の骸
美しき嘘を噛み砕く度
乾いた骨の音に似てる
裂けた茎
滴る蜜は
菓子のように甘くない
鉄の匂いが纏わりつく
修羅の味だ
その朱は華ではなく
刻まれた傷の記憶
行き場のない熱が
この身を焦がしてゆく
ひとひらまたひとひら
一枚ずつ業が砕ける
守る術を剥がされて
寒風の中に立ち尽くす
祝祭の灯は眩しすぎて
祈りの行方を消してしまうほどに
散り跡が雪に取り残され
朱(しゅ)は言なく夜を割る
鳥は来ない
春も来ない
あるのは冷たい
涅槃の冬だけ…
それでも咲くというのか
愚かなほど一途に!
ひとひらまたひとひら
最後の一枚が落ちるまで
雪野にひとり罰を抱く
気高く哀れな冬の咎
Valentine
祝詞のように風に消える
純白を染めた朱の骸
輪廻さえ凍るこの場所で
さらば、わたしの愛しき地獄
- 作詞者
Harurun
- 作曲者
Harurun
- プロデューサー
Harurun
- ソングライター
Harurun
- プログラミング
Harurun

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寒椿の祝詞
Harurun
『寒椿の祝詞』は、極寒の中で健気に咲きながら、一枚ずつ花びらを散らしていく寒椿の儚さを描いたゴシック・ダークファンタジーな一曲です。
重厚なドラムとストリングス、妖しげな旋律に、天へ捧げる祝詞のようなコーラスが折り重なり、静寂と激情が交錯し、祈りの夜へ引き込んでいきます。
白い雪と赤い華――冬ならではの残酷なコントラストを、物語の一幕としてお楽しみください。
アーティスト情報
Harurun
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