

夜の御所に ひっそり咲いた
凍える花が 風に揺れる
灯りひとつも 寄り添わぬまま
ひそやかに 息をしていた
誰も知らない その涙は
声もなく 空へ消えていく
私はただ 流されずに
静かに立ち 夜を抱いた
愛も願いも 置き去りにして
凍える花となっただけ
宮のしじまに 響く足音
届かぬ想いを 踏みしめている
影の奥に 隠したままの
終わらぬ孤独を 抱きしめた
強さという名の 薄い鎧は
寒さには あまりに脆い
叫びたくて 叫べなくて
胸の奥で 花が泣いた
華やぐ都の その裏側で
私だけが 凍えていたの
本当は ただ
ひとひらの 温もりが欲しかった
誰にも触れられず
誇りの影に 閉じ込められて
夜明け前に 散るとしても
この場所で 私は咲く
愛を知らずに 強さを纏い
凍える花となりながら
御所の片隅
冷たい花は
今日も静かに 息をしている
- 作詞者
Nanamie's Brain Atelier
- 作曲者
Nanamie's Brain Atelier
- プロデューサー
Nanamie's Brain Atelier
- レコーディングエンジニア
Nanamie's Brain Atelier
- ギター
Nanamie's Brain Atelier

Nanamie's Brain Atelier の“氷の花、御所に咲く”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
氷の花、御所に咲く
Nanamie's Brain Atelier
静かに張りつめた空気が支配する、室町末期の御所。
政治の渦の中心に立ちながら、誰よりも孤独だった女性──日野富子。
将軍家の権威が揺らぎ、諸大名が対立を深めていくなか、富子はその存在ひとつで時代を揺らし、やがて応仁の乱へとつながる火種ともなった。
“強さ”を求められ、
“孤独”を強いられ、
“欲も誇りも愛も捨てきれない”
そんな相反する心を抱え続けた富子の姿を、女性ボーカルの熱唱と、それを包みこむように響く泣きのギターで描いたロックバラード。
静かに耐える花のように、凍える闇の中でも確かに咲こうとした彼女の想い──その光と影を、音に封じ込めた一曲です。
アーティスト情報
Nanamie's Brain Atelier
私は、DAW、MIDI、ビートマシン、ボカロなど多岐に渡るアプリやツールを用い、また自身の演奏プレイや仲間のパフォーマンスをミックスし音源を創作しています。 私の創作音源は、BGM用の短編楽曲を主流に、ハードでありなからも感情的で陰陽ある曲調が多いのが特徴です。
Nanamie's Brain Atelierの他のリリース
Nanamie's Brain Atelier



