Lyric

現す男は

立ち姿わずかに滑稽で

振りかえず遠くを見てる様で

浮いている

鎌を持つ

男は死神

近づいて何かを見せる

その顔に安らぎ受ける

目を閉じる

楽になる

死神はその目を細める

悲しみは震えるこの手に

焼き付けて涙はこぼれる

背後には鳴かない雀がいる

ろうそくの灯火

揺らめいて灯りを映す

目を擦る

確かに見える

遠くから声がする

その声は痛みを届ける

ある時は悪魔になり得る

遥かなる大地をかすめて

行く先はその手の鳴る方へ

死神は視線を尖らす

その鎌で未来を切り取る

真っ黒な光を広げて

包みこむその夢は無限

目は覚め陽がさす

吐き捨てた微かな声が

内側で静かに増える

手を伸ばす

見上げる

死神はその手を差し伸べ

苦しみは瞬くその目に

噛みしめて涙は溢れる

背後には眩しい光が

死神は翼を広げて

嘲笑うその顔その目は

ろうそくの火が消えるまで

真っ直ぐに我を見続ける