「あっ」
また夢を見ていた
傷から零れる夢を見ていた
落ちて地面に染み付いてく
そしていつか歌になる夢を見ていたんだ
もう忘れてしまった
火傷の温度も忘れてしまった
言葉がだんだん冷たくなっていくことの
怖さも忘れてしまった
天使でいたかった
僕は天使でいたかった
求められた言葉の
すべてを跳ね返せる
鏡でいたかった
ある時鏡の向こうから
誰かが僕を睨んでいた
黒い影が僕を
睨みつけていたんだ
君は知らないんだろうけど
胸に刺さって離れないんだ
あの日君が吐いた呪いが
僕の心臓にしがみついて
君は知らないんだろうけど
泣き方も忘れてしまったんだ
あの日々の苦しみが今でも
僕の脳を焼き焦がしている
君は知らないんだろうけど
僕だって人間だったんだ
許せないことの一つや二つ
君の前では潰してたんだ
君は知らないんだろうけど
笑う事も下手になったんだ
何故だか思い出すのは今も
苦しかったはずのあの日々だ
君は知らないんだろうけど
笑顔の数だけ離れていくって
君は気づいたかな
温度の分だけ寂しくなるって
君も思ったかな
僕らの夢のすべてを叶えるって
確かに望んでいたのに
悲しくなるのはなんでだろうね
そう
神様じゃないんだ
君は神様じゃないんだ
口を閉ざす道理など
ないとわかってても
否定できなかった
それでも見ていて欲しかった
痛みでも愛してたかった
忘れられることが
なによりも怖かった
君は知らなくっていいけど
あの日の僕らは泣いていたんだ
君を恨んでいるすべてが
僕を守ろうとしてたことは
君は知らなくっていいけど
夢のひとつくらいあったんだ
あの日喉に詰まった言葉が
腹の奥で腐りきっている
君は知らなくっていいけど
僕だって笑いたかったんだ
こんな僕でも何か一つを
最後まで守りきりたかった
君は知らなくっていいけど
今なら飛べるような気がした
偽物の翼だったとしても
空に憧れ続けたかった
君は知らなくっていいけど
「もういいかい」
誰もが僕らのことを弱虫と言うだろう
殺した日々が僕らの胸を潰すのだろう
あの日の笑顔に指を差され続けるだろう
後悔の上にピンクの恥を塗るんだろう
夢を語った分だけ過去を背負うんだろう
流した涙が心を重くするんだろう
それでも死にたくないから息をするんだろう
「もういいよ」
君は知らないんだろうから
僕が青空を知ったことも
僕らが描いていた景色が
あまりにもちっぽけだったこと
君は知らないんだろうから
僕が今も歌っていることも
あの日君が手放した音が
僕の胸で鳴り響いている
君は知らなくっていいから
まだ君の背を見ていることも
あの夏の日に君が笑った
その意味を僕は知りたくって
君は知らなくっていいから
君の名を覚えていることも
忘れたとあの日嘘をついた
日々が僕の心臓なんだ
君は知らないんだろうけど
君は知らないんだろうけど
君は知らないんだろうけど
君は知らないんだろうけど
君が知らないんだとしても
僕だって人間だったんだ
鍵をかけ飲み込んでも
多分、 まだ
君を覚えていたかった
君は知らないんだろうけど
- Lyricist
Aliey:S
- Composer
Aliey:S
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Lethe
Aliey:S
Artist Profile
Aliey:S
In 2022, Aliey:S began his/her music career by releasing songs using vocaloids on video sharing sites. In addition to music production, Aliey:S is also involved in illustrations and video production, and is active in multiple activities. It is characterized by a bright and up-tempo melody, but slightly melancholy lyrics.
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