偶蹄堂のジャケット写真

歌詞

砂塵と落葉の歌

イランド屋

空風は言うんだ「この世界はよく笑うんだ」と

既に飲み干した硝子瓶は汗をかいた

幾つも積もった便箋から流れ出す音色を

一つ切り取って寂しがりの夜にやった

埃を被った古い絵画 傍にそっと

「明日ここで待つ」と、もう届かぬ声があった

夕刻を知らせる鐘が随分高く響いた

「ただいま」そう言ってくれるはずもないのに

枯れ果てた歌すら懐かしくて抱いていたくて

霞の中ひとり立ち尽くしている

空風は言うんだ「この世界はよく出来たもんだ」と

何故かのその先の話などはせず笑った

食べかけの今日は何も言わず灰になり積もるが

明日ここに何が訪れるか知らないんだ

風を失った古い町に残されて今日も

「明日ここで待つ」と、もう届かぬ声になった

12度目の約束が文字になってやがて乾いたって

「おかえり」そう言ってくれるはずも無いのに

枯れ果てた歌すら疑わしくて離してしまって

靡く旗が煤けて笑う

夕刻を知らせる鐘が幾分か遠く退いた

「ただいま」そう言ってくれるはずもないのに

あなたよどうか この町へ辿り着かないでくれるか

壊れたブラウン管が語る

錆び付いた電波塔が最後に飛ばしたあの歌

点と線だけで唸った夜が 混ざってから

ハイドランジアが咲いた意味のない明日を描いた

そうしてまた空風は言うんだ「この世界はよく笑うんだ」と

  • 作詞

    Ryu Arai

  • 作曲

    Ryu Arai

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ベーシスト洗い流(荒井龍)によるソロプロジェクト「イランド屋」フルアルバム第一弾

アーティスト情報

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