

フェルメールがまた観たいな
あの頃の僕じゃ気付けないな
フェルメールがつけた⽿飾りのように
「ごめんね」って少し気だるそうな僕は
さよならに代わる⾔葉が何度も探しても浮かばない
君に別れを告げて それから
独りで過ごすことにも慣れて⼤⼈になった
その時にふっと思い出す
君がそっとはにかむ 袖に⼿の温度が触れる
この⼼を満たしてく 瞳の奥で溢れた静寂を
フェルメールがまた観たいな
あの頃の僕じゃ気付けないな
フェルメールがつけた⽿飾りのように
曖昧で静かに光る君の美しさに
君とほら 眺めてた あの瞬間、あの⿎動が
今ここで蘇る それだけで痛いや
瑠璃⾊の肖像画に君が重なる
こんなに綺麗に映っていたんだ
その時にふっと思い出す
あどけない性格 刹那的な快楽
そんな僕をいつも我慢していていて 許して好いてくれてたって?
そんな事⾔われたってそりゃ気付けない
今の君をどうにか 無理に呼び⽌めたとして
僕を捻じ込めるも何もその余⽩は無いんだよ
やっぱり戻ってよ、って そんな僕の⾝勝⼿が嫌になんだよ
フェルメールがまた観たいな
なんて間違っても⾔えやしないな
会いたいな、なんて願う権利なんか無いから僕には
でも
美しいな 本当、君は
今更わかっても仕⽅ないな
フェルメールがつけた⽿飾りのように
曖昧で静かに光り続けてた
この胸で永遠に⽣きる君の美しさに
- 作詞者
Monett
- 作曲者
Monett
- プロデューサー
Monett
- レコーディングエンジニア
平尾 慎司
- ボーカル
Monett
- プログラミング
kajiya

Monett の“フェルメール”を
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- ⚫︎
フェルメール
Monett
「フェルメール」は、Monettの創り出す〈Nu Classic〉の理念を象徴するデビュー曲。
“真珠の耳飾りの少女”を想起させる透明感を背景に、
かつての恋人との時間を主人公が後悔とともに振り返る物語として紡がれている。
思い返されるのは、恋人の柔らかな笑顔、袖越しの体温、あどけない性格。
当時は気づけなかった美しさが、別れを経た今になって光を帯びて見えてしまう。
その感情の揺らぎを、Monettは淡い色彩のサウンドと繊細な言葉で描写する。
主人公は「フェルメールがまた観たい」と願いながらも、
もう隣に立つ資格はないと理解している。
愛を失った痛みと、その記憶がなお静かに輝き続けてしまう残酷さ。
曲の中では、記憶の光が“耳飾り”のように曖昧で静かに揺れ続ける。
本作は、後悔・喪失・未練といった感情を“絵画的な光”として封じ込め、
Monettが掲げる〈Nu Classic〉という新ジャンルの核となる“
音で情景を描く”手法を明確に提示する一曲である。