七日目の街のジャケット写真

歌詞

落日

貝と蜃気楼

午後三時、あの角の自販機で、

いつも通りにコーヒーを買ってよ。

特別な今日を普通の一日にしよう、

ひとつひとつ集めて花束にしよう。

幽霊たちの街で、僕らふたりきり、

走ったって歌ったって怒られやしないよ。

神さまもこの街のことなんて忘れて、

僕たち、これから透明になるんだ。

もうすぐぜんぶが赤い色に沈んで、

僕の嫌いな夏は二度と来ないんだ。

あの鉄塔も工場も行く手を塞いだ防波堤も、

もうすぐぜんぶが真っ赤に燃え尽きてしまうだろう。

何度も夢に見たような結末が、

僕たちに追いつくまでの僅かな時間に、

君の思い出がうつくしいものであるように、

さよならの言いかたを探している。

目覚まし時計もカレンダーも要らなくなってしまったから、

きっともう何にもなれないね。

この線香花火の火が落ちるまでの秒数を、

永遠みたいに、数えられないでいたい。

おをひくほしぼし

すくいたもうと

いのり

ゆうばえに

おちてしまえ

サイレンが鳴る。

軋んだ音が何回だって繰り返して、

蝉の声を貫いて夏を殺した。

傷つかないで、大事にしまって、

真綿を敷き詰めた狭い狭い箱の中で、

僕は救われたくなんてないのにな。

だって、僕は僕のための終わりを見つけたんだ。

誰にも奪われないように、

甘いもので溶かして煙で燻して、

きらきら飾りつけるためだけに穴を開けて、

そうして僕が守ってきた僕のことを、

今、君だけのものにしてくれよ。

もうすぐぜんぶが赤い色に沈んで、

僕の嫌いな夏は二度と来ないんだ。

あの鉄塔も工場も行く手を塞いだ防波堤も、

もうすぐぜんぶが真っ赤に燃え尽きてしまうだろう。

しあわせだって僕は言えるよ、

君のいない明日はやって来ないから。

あの火球が落ちるまで手を繋いでいてよ、

君の瞳の中で今が永遠になるように。

さよならは上手く言えないままで、

君が好きな缶コーヒーは甘すぎて、

アイスのあたり棒にもう行き場はなくて、

君だけはあの3等星に飛び立って、

青い青い星が真っ赤に燃えるのを、

ずっとずっと見ていてよ。

君だけが僕を覚えている。

君だけが僕を覚えている。

君だけが僕を覚えている。

君だけが僕を覚えている。

  • 作詞

    小宵

  • 作曲

    貝と蜃気楼

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アーティスト情報

  • 貝と蜃気楼

    耳を劈く轟音に物語性の高いリリックを乗せて鳴らすオルタナティヴ・ヘヴィ・ロックバンド。そのサウンドはスラッジコア、ブラックメタル、ハードコアパンク、シューゲイザー、USインディーなど様々な音が渾然一体となった唯一無二のものだ。メンバーは、小宵(Vo)、KYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶ(Gt)、ヨシキ(Gt)、MiNT(Ba)、634(Drs)の5人組。その内、小宵とKYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶの2名がVtuberという異色の構成だ。2022年4月に1st EP『人魚の骨』、同年10月に1st Album『七日目の街』をリリースし、また2022年5月にはおやすみホログラム主催のライブ「打奏驚蛇」に出演、同年12月にはレコ発ライブ「七日目のパレード」を主催するなど、ステージパフォーマンスにも力を入れており、破壊的な演奏が評価されている。最近ではASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がホストのpodcast AVMTのVOL.36にて1st Album 所収「安息日」が週のプレイリストに選曲されるなど、その存在感はあらゆる音楽シーンにおいて日々いや増しつつあり、今後も決して目が離せない。

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