Starlight Healing

旅する作曲家が描く、星とまどろみのピアノ物語。
誰もいない夜更けの空と向き合うために生まれた、心を静かにほどいていくスヒーリング・アルバム。

日本全国をキャンピングカーで巡りながら、出会った人や風景、胸に残った一瞬を音楽に書き留めてきた「旅する作曲家」KENSUKE。
『Starlight Healing』に収められた10曲は、その旅の途中で実際にピアノの前に座り、指先と耳でていねいにスケッチしてきた「夜の断片」を集めた作品です。
偶然のフレーズに頼るのではなく、一つひとつの音の間合い、呼吸、余白を確かめながら磨き上げられた、手仕事としてのヒーリング・ミュージック。その繊細なニュアンスは、「生身の夜の温度」を伝えてくれます。

ピアノ・スケッチをベースとした、少人数のアンサンブルが寄り添う室内楽バージョンへと発展はフルートや弦の息づかいが重なることで、旅の途中でふと射し込んだひとすじの光が、より立体的な音の風景として立ち上がります。生身の演奏者同士の呼吸が交わることでしか生まれない、かすかな揺らぎと温度が、ここには確かに刻まれています。

星で満ちた夜空という見えない海を、どこからともなく現れた“音の舟”がゆっくり横切っていく。その行き先を決めるのは、作曲家ではなく、聴いているあなた自身。KENSUKEは、音を詰め込む代わりに、あえて余白を残し、その余白にリスナーの想像力が入り込む余地を確保しています。

街灯と星の光がこぼれる夜道をひとり歩いたあと、自分のベッドサイドに戻ってくる。灯りを消した暗がりの中で、天井の向こうに星の気配を探してしまう──そんな誰もが持つ夜の時間に、このアルバムはそっと寄り添います。

見えない手に優しく揺らされながら、星空そのものに抱かれて眠るような感覚を、KENSUKEはていねいに音へとほどいていきます。
子どものころ、誰かの歌声や一定のリズムに身をまかせているうちに、いつのまにか眠ってしまった記憶。
その記憶が、年月をこえて静かに戻ってくるようなラストナンバーです。

一人の旅する作曲家が、自らの旅と記憶と感情をもとに、
ひとつひとつの音を手で選び、耳で確かめながら紡ぎ上げた「夜の作品集」。勉強や読書のBGMとして、深夜のひとり時間の相棒として、そして眠る前の数分間をやさしく包む子守歌として。このアルバムは、あなたの夜にそっと灯る、星の音楽集です。