首に繋がれた鎖 背中の焼き印
奴隷の証
そこでの私は、
売り物のひとつにすぎなかった
私を買ったのは見目麗しい男のひと
鎖を外して、上着を掛けてくれて
豪奢な馬車に乗せてくれた
私は場違いに胸を
ときめかせていたの、だって
こんなに優しく、
微笑みかけてくれて
それだけで人生を救われたの
連れて行かれたのは塔の上
「今日からここが君の家だよ」って
お姫様みたいに扱われた
ふかふかのベッド、美味しいごはん
絹のドレスに、鮮やかな宝石
あまりにもその、私にはねえ
身分不相応で、怖くなったの……。
私は本当はお姫様なんかじゃないの
襤褸(ぼろ)が似合いの、
醜い奴隷なのに
もう戻れない『恋する少女』
私は塔の上で
何不自由なく暮らしたわ
現実逃避の、夢を見ているのよ
そうでなきゃ、
何もかもおかしいでしょう
たまに訪れる王子様
「僕は君を愛しているんだ」って
甘い甘い声で囁くの
いつしか私は、彼の虜に
見えない鎖で、繋がれていたの
あまりにもその、私にはねえ
幸福な未来、
描いてしまったの……。
彼とひとつの約束
塔の外には 出ないこと
それがふたりの、
夢の終わりになってしまうからと
夢の実を食む 毒と知りつつ
私は鳥籠に囚われて
- 作詞
黒川 うみ
- 作曲
折倉 俊則
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花標本乙女:水仙
中恵 光城
「誰にも引き裂けない、二人だけの在り方。それこそが私の希望なのだから。」 ABSOLUTE CASTAWAYが贈る、花標本となった乙女たちの新たな物語。 此度は『希望』の標本をご覧いただきます。与えられた希望を信じる水仙。 彼女の祈りが尽きるまで、花は今日も鮮やかに咲き誇るのです。
アーティスト情報
中恵 光城
2007年より音楽活動をスタート。同年より、サウンドプロジェクト「少女病」に”Mitsuki” として参加。 2013年4月より声優としても本格的に活動を開始。 透明感と力強さを併せ持つ凜とした歌声を基調としながら、声色や歌唱を自在に変化させる多様性と柔軟性、幅広い表現力を持ち味とする。 様々な作品への歌唱提供、ライブ出演、声優としても表現活動を続けている。
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