

聞こえなかったんだね……。
「距離」に形があるみたいに 君は僕を見た
それは 君の瞳の中に住み着いていた
伝えようとした言葉のすべては
空の途中で 力尽きて死んでいった
君に すべてを話したかった
けれど 言えなかった想いで 空気は重く淀(よど)んでいく
君は 耳を傾けているような微笑みを浮かべ
その代わりに 静寂が語りだした
何かの合図(サイン)を待っていた
君の声の震えや、抗(あらが)おうとする火花を
けれど君はただ「大丈夫」と言ったんだ
それが「さよなら」の合図だとは 知らずに
誰も聞くことのなかった 最後の一行(フレーズ)
僕の舌の上で 震えていたあの一行
小さくて、壊れそうで
けれど それは真実で、愛だった
誰も聞くことのなかった 最後の一行
静かな溜息の下に 飲み込まれていった
泣かないふりをしながら
あの瞬間の呼吸の中で 僕は君を失ったんだ
「最近どう?」なんて君は訊く
答えなんて 分かりきっているくせに
「大丈夫だよ」と僕は答え
その瞬間 二人は「他人」になった
君の手はすぐ近くにあるのに
温もりだけが 消えてしまった
僕は 想いの断片(フラクション)を語る
声に出せない言葉を 君が読み取ってくれるのを願いながら
勇気を振り絞ろうとした
けれど 勇気は「平和」みたいな顔をしていなかった
それは 震えることであり
解放されないまま 手放すことだったんだ
誰も聞くことのなかった 最後の一行
雨に向かって 囁(ささや)いたあの一行
「君がいなくなると寂しくなる」と言ったのに
君はもう 背を向けていた
誰も聞くことのなかった 最後の一行
その残響は 時の彼方へ消えていく
もし 愛がひとつの言語だったなら
僕らの愛は 韻(いん)の踏み方さえ 忘れてしまったんだ
時々、一度も語り合わなかった日のことを夢に見る
あの「沈黙」は、墜落していくよりも優しかった
たぶん 傷跡は「音」の中から始まったんだ
そして 癒(いえる)ということは、見つけられるということ……
この静寂の中で。
もし 戻れるとしたら
結末なんて 変えなくていい
ただ あの瞬間に もっと長く留まっていたい
言葉が生まれる前の あの瞬間に ——
君の瞳が まだ信じていて
君の手が まだ僕の名を知っていた、あの場所に。
誰も聞くことのなかった 最後の一行
けれど たぶん 静寂だけで十分だったんだ
心が より静かに語りだすのは
愛の「痛み」を知った時だから
誰も聞くことのなかった 最後の一行
けれど 今も毎晩 それを感じている
それは 僕の肋骨(あばら)の間でハミングしている
さよならの仕方を 知らない亡霊のように
聞こえなかったんだね……。
けれど僕は 君の名を呼んだんだよ。
- Lyricist
Kine Lune
- Composer
Kine Lune
- Producer
Kine Lune
- Vocals
Kine Lune

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Fraction
Kine Lune
- 2
Protect Your Soul
Kine Lune
- 3
Betrayal
Kine Lune
- 4
Venom Emotion
Kine Lune
- 5
Mythology
Kine Lune
Artist Profile
Kine Lune
Artist producer who writes lyrics and composes music. Pop and catchy melodies. Expressed through wordplay, his songs have gained overwhelming support from his generation, with songs that you can't help but hum after just one listen.
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