

カリカリカリ
ボールペンだけ急いでる
保証人欄だけ空白
世帯主ひとりになってる
駅前
昼休み
保証人欄だけ空白
あっ
名字だけ書き直した
南口のパン屋から
新しい油の匂い
再開発ビルの案内図
昨日と矢印が違う
不動産
不動産
コピー機から出てきた
白黒の私
旧姓の印鑑を押してる
ねえ
この住所で届くかな
鞄の底で
鍵が2本ぶつかる
チリン
知らない音
チリン
まだ慣れない音
保証人欄だけ空白
世帯主ひとりになってる
保証人欄だけ空白
旧姓の印鑑を押してる
アイスコーヒーが薄くなる
駅前だけ賑やかだ
窓口番号23番
まだ呼ばれてない
住民票
世帯主ひとり
新しい合鍵が冷たい
郵便物の転送届
今日から一年有効
自動ドア
開いて
閉じて
また開いて
契約書の角が折れている
誰かの指の跡みたい
判子を押す場所だけ
やけに白い
あ
そこだけ未来だった
保証人欄だけ空白
でも部屋番号は決まってる
保証人欄だけ空白
洗濯機置場も決まってる
12時17分
下町の駅前
保証人欄だけ空白
それでも少し進んでる
トクン
トクン
工事フェンスが揺れている
アイスコーヒーは溶けている
新しい鍵を握ったまま
保証人欄だけ空白
世帯主ひとりになってる
- 作詞者
MASAQUI
- 作曲者
MASAQUI
- プロデューサー
MASAQUI
- プログラミング
MASAQUI

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保証人欄だけ空白
MASAQUI
保証人欄だけ空白は、昼休みの駅前で新しい生活の契約書を書いている一人の女性を記録した楽曲です。
再開発中の駅前。
不動産屋のカウンター。
旧姓の印鑑。
冷たい合鍵。
賑やかな街の音に囲まれながら、主人公は静かに自分の名前を書き直します。
離婚も再出発も直接語られません。
残されているのは、保証人欄だけ空白のまま進んでいく昼の風景です。



