あなたが知らない私になるのジャケット写真

歌詞

あなたが知らない私になる

中村 英彦

街灯の下 夜がほどけて

長い影だけ連れて歩いた

あなたのいない街は静かで

時計の音まで聞こえそうだった

コートの襟に顔を隠して

名前をひとつ飲み込んでみる

忘れることが大人なら

私はまだ子供でいい

窓辺に飾られた冬の花

誰かを待つように揺れている

あんなに近くにいた人が

今ではいちばん遠くにいる

木枯らしよ あなたの街まで

私の声を運ばないで

もう会えない人だからこそ

美しくなる夜もある

さよならだけが言えないまま

季節は先へ進んでいく

あなたを愛したその時間を

冬のせいにはしたくない

ショーウィンドウに映る私は

去年より少し知らない顔

あなたが好きと言った口紅も

今では違う色を選んでる

交差点では恋人たちが

ひとつのマフラーに隠れてる

あの日の私たちみたいで

少し笑って 目を逸らした

幸福だったと呼ぶにはまだ

胸のどこかが痛むけれど

不幸だったと言ってしまえば

あの日の笑顔まで消えそうで

木枯らしよ あなたの街まで

私の夢を運ばないで

忘れられない恋くらい

ひとつあってもいいでしょう

夜空を飾る星のように

触れられなくてもそこにある

あなたを愛したその記憶が

今夜の私を照らしてる

もしも偶然 出会えたなら

私は何を話すでしょう

髪を切ったこと

新しい靴のこと

ひとりで眠れるようになったこと

そして最後に

あなたがいなくても

冬はこんなに美しいと

木枯らしが街を抜けていく

あなたのいない朝が来る

さよならを言えなかったことも

今なら少し愛しく思える

春になったら忘れるなんて

そんな約束はしなくていい

あなたを愛した私のままで

新しい季節へ歩いていく

振り返れば 遠い灯り

もう手を伸ばしはしない

冬の終わりに立つ私は

あなたが知らない私になる

街灯がひとつ消えて

朝の色が街を染める

あなたの名前を呼ばないまま

私は冬を歩いていく

  • 作詞者

    中村 英彦

  • 作曲者

    中村 英彦

  • プロデューサー

    中村 英彦

  • ボーカル

    中村 英彦

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