

さよならの手前で
僕らは少しだけ黙った
駅へ向かう道はいつもより長くて
二人分の足音だけが夜に残った
話すことならまだいくつもあったのに
どれを選んでも終わりに近づく気がした
君はコートの袖を少し握りしめて
寒いねと小さく笑った
その声に返した僕の相槌が
あまりにも普通で 自分でも怖かった
引き止める言葉を
探していたはずなのに
君を困らせない答えばかり
先に浮かんでしまった
さよならの手前で
僕らは何を失くしたんだろう
まだ恋と呼べる温度が
指先の近くに残っていたのに
戻れないと決めたのは
きっと最後の言葉じゃなくて
目を合わせないまま歩いた
あの短い沈黙だった
改札の前で君が立ち止まったとき
街の音だけが少し遠くなった
じゃあねと言えば終わることくらい
二人とももうわかっていた
いつか笑って話せる日が来るなんて
きれいな嘘を言えるほど強くなくて
君の横顔に残った街灯の色を
僕は意味もなく覚えようとしていた
大切だったことほど
うまく言えないままで
守りたかったはずの人を
静かに遠ざけていた
さよならの手前で
僕らは何を選んだんだろう
まだ戻れるような夜が
ホームの向こうで揺れていたのに
会いたいと言えなかったのは
君を忘れたからじゃなくて
これ以上やさしくされたら
壊れてしまいそうだったから
もしもあの瞬間に
一歩だけ近づけていたら
終電のベルも 冬の風も
ただの背景になっただろうか
だけど僕らは
同じ痛みを抱えたまま
互いのためみたいな顔で
別々の夜を選んだ
さよならの手前で
僕らは何を失くしたんだろう
まだ恋と呼べる温度が
指先の近くに残っていたのに
戻れないと決めたのは
きっと最後の言葉じゃなくて
目を合わせないまま歩いた
あの短い沈黙だった
電車の窓に映る君が
少しずつ夜に溶けていく
さよならの手前で
僕はまだ君を呼べずにいた
- 作詞者
GREYLINE
- 作曲者
GREYLINE
- プロデューサー
GREYLINE
- ボーカル
GREYLINE

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アーティスト情報
GREYLINE
GRΛYLINEは、3人組の男性バンド。 顔や個人像を前面に出さず、音楽と“状態”だけを提示するプロジェクトとして活動している。 作品ごとに声の距離や温度が変わるのが特徴で、 それはキャラクターの変化ではなく、 感情やフェーズによって声の位置が変わるという考え方に基づいている。 内省的な夜を描いた『言えなかったままで』、 日常を肯定する『Clear Days』、 そして身体が先に動く『MOVE FIRST』。 GRΛYLINEは、 考え、立ち止まり、動き出す?? そのすべてを同じ時間軸の中で鳴らし続けている。 姿はシルエットのまま、 音だけが前に進む。
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