歌詞

朝の光が　静かに揺れて

あなたがいた頃の　影を照らす

旅立つ背中に　言えなかった言葉

「大丈夫よ」と　強がりを抱いたまま

短い文で届く　あなたの暮らし

安心したふりで　そっと涙ぬぐう

まな板の音に　よみがえる笑い声

気づけば台所が　少し広くなった

空を見上げて　今日を祈るわ

あなたが選んだ道が　照らされるように

つまずく日には　思い出してほしい

母の愛は　いつでも静かにそばにいる

夕焼け空に　寄り添う影法師

ランドセル揺らし　駆けてきたあなた

「ただいま」の声が　胸をあたためる

戻らぬ景色が　今も優しく灯る

暮れゆく部屋で　名前をつぶやく

返事のない静けさが　胸にしみても

寂しいなんて　もう言わないわ

あなたの明日がある　それだけでいい

老いゆくことを　怖いと思う夜も

あなたの笑顔を　そっと抱きしめてる

打ち明けなかった　弱さも不安も

母の祈りに溶かし　空へ放つの

窓辺の影が　今日も揺れている

離れていても　心は寄り添う

涙の日には　風を感じなさい

母は遠くで　そっと背中を押している

会えぬ時間が　愛を深くすること

あの日の私は　知らなかった

返事はいらない

母の祈りは　あなたの胸の灯

眠りにつく街へ　そっと願いを

同じ星の下で　あなたが笑っていますように

静かな夜へ溶けていく

母の祈りは　消えずにそこにある