replica spica Front Cover

Lyric

replica spica

kayli

指先の熱を奪っていく

季節の終わりを待った

羽虫の様にうずくまって

息を潜めてずっと

朝靄の中来るはずのない

君が帰るのを待った

遠くでいくつ鐘が鳴ろうと

元には戻れないよな きっと

ただ、ただ君を

忘れたくないだけなんだ

やたら綺麗な思い出になってしまった

君を閉じ込めておきたかった

ぬかるむ雪に足を取られ

動けない僕を忘れて

街に春が、この街に春が

降り積もってく

勿忘草を伝っている

朝露を眺めている

君と観た映画の中みたいな

退屈が流れてく

霜を潰して歩くような

騒がしい日々じゃないけど

穏やかに過ぎる日常が

少しずつ好きになったよ

そうして新しく変わっていく僕を

君は笑ってくれるだろうけど

ただ、

温い生活に縋っているだけなんだ

悲しみの置き場すらどこにもなくて

抱きしめたまま揺蕩ってるんだ

凍りついた記憶と時計に

ヒビが入り香る花の

名前一つ口をついて

些細な声にも気づけなかった

それだけを悔やみ続けている日々は

言うなれば

あの日からずっとレプリカだ

雨が止んだら、風が止んだら、

花が咲いたら、

また思い出せるかな

どうかな

ただ、ただ君を

忘れたくないだけなんだ

やたら綺麗な思い出になってしまった

君を閉じ込めておきたかった

路肩の雪が溶け出す頃

もういない君を忘れて

街に春が、この街に春が

降り積もってく

  • Lyricist

    kayli

  • Composer

    kayli

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