北東のジャケット写真

歌詞

骨ノ鬼

Daichi Wago

「私のところに来てよ」

緑色の蛇の尾

曇天からひと雫 ポトーン

「私のところに来てよ」

まだらの多いヤマカガシ

あじさいの廃墟と長い髪

まだらの多いヤマカガシ

あじさいの廃墟と長い髪

「私と同じ醜悪なものに

許されてしまえばいいのかもね」

私と同じ 緑色の蛇の尾

この遊びの霧は深い

行こうと思えばどこにだって潜れる。

高く飛べば飛ぶほどに空の色に溺れていく

自由自在の代償として倍増していく痛覚

掛け違えたシャツのボタンが

深い穴へと続いている

それを辿り落ち始めた俺に誰かが言う

「危ない」

果たしてこの「危ない」とは

誰の声であったか?

滑るように降っていく赤く錆びた梯子、

腐りかけの桃によく似ている体温の君と

影を踏んで遊ぼう 今忘れようぜ名前は

俺を理解される前に丸呑みにしていたい

雨の昼は暗いままに宵の入りの紫

低いヒールの足の甲に走っている青筋

私たちを笑っている姿見

瞬きせず見つめてくる暗闇

今誰のことを考えてても別にいい

崩れかけのバルコニーで毒の牙の探し合い

十二の単を十三枚まで脱がし合い

俺と蛇はついに一対の骨と骨になった

このまま新しい生物としての

肉体を手に入れたかったが

無理だった

俺は彼女の複雑な構造が悲しかった

彼女は俺の内側の空虚さに慄いていた

蝶々みたく脆弱で

情緒だけが

ただそこにあるのさ

他には何もない

あとは風が吹くばかりだ

「あなたは、感動して生きてきたんだね」

「ただ、感動して、そして本当にそれだけで」

ははは

さっきまで手の中にあった体温

あのあと何も言わないでくれてありがとう

最終列車二両編成鈍行

一個もない街灯、窓の外は暗黒

薄汚れた窓に映っているボンクラの無表情

寂しすぎる空洞に薫るハーブ茴香

Daichi Wago 言葉遊び 酔狂

  • 作詞者

    Daichi Wago

  • 作曲者

    junchai

  • プロデューサー

    junchai

  • レコーディングエンジニア

    junchai

  • ミキシングエンジニア

    junchai

  • マスタリングエンジニア

    KUROMAKU

  • グラフィックデザイン

    NAOHIRO YOSHIDA

  • ボーカル

    Daichi Wago

  • ライセンスされたビート

    junchai

北東のジャケット写真

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Club Asiaで開催されている芸術と音楽の実験集会「魔界難入」の主催者としても活動するアーティスト・Daichi Wagoが、キャリア初となるフルアルバム「北東」をリリース。
プロデュースは横須賀を拠点に活動する3ピースロックバンド・Fallsheepsのメンバーであるjunchai、syu yoshida、Itsuki Kunらが手がけ、マスタリングはKUROMAKUが担当した。アートワークは同じく「魔界難入」の主催として活動する画家・Naohiro Yoshidaが製作。
本作品は、歌人・馬場あき子氏の著作である「鬼の研究」(筑摩書房)から大きな影響を受けて製作された。日本のさまざまな場所で精力的にLIVEを行うDaichi Wagoが、「高速で放浪する感覚」と、「どのジャンルや界隈にも所属することができない感覚」を12曲=12匹の鬼に託してアウトプット。シュルレアリスムを軸とした現代詩的なリリックをラップ、歌唱、演技などの形で使い分け、まだ見ぬオルタナティブな表現に挑戦した。ビートはポストロック・ブーンバップ・ハードテクノ・トリップホップ・アンビエント・バイレファンキ・民謡など多種多様なジャンルをカバー。さながら「聴く長編映画」のように、物語の進行に合わせて複雑な展開を見せている。
タイトルは、鬼の出入りする方角にちなんでつけられた。これは既存の文脈やジャンル分けでは定義の難しい、「まつろわぬ音楽」。重たい雲が立ち込める北東の方角から、旋律と鬼哭が聞こえてくる。

アーティスト情報

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