Lyric

わたしはユリコ

堀江のカフェで

あんたに拾われて

住み着いて

毎晩毎晩

鏡の前で

わたしの髪を

乾かしながら

主体性のないところが

君の主体性だねって

のたまう

東京モンが

知ったような口をきく

足のつかないプールで

わたしはもがく

わたしはユリコ

裏ナンバのバーで

あんたに拾われて

住み着いて

毎晩毎晩

窓際に立って

作りかけのビルの

てっぺん指さして

おれはあのクレーンのような

男になるんやと

のたまう

クレーンクレーン

クレーン

ハテナの森で

わたしはさまよう

わたしはユリコ

中之島のバラ園で

あんたに拾われて

住み着いて

毎朝毎朝

川を眺めながら

太極拳ウォーキング

ゴミ拾いカツ丼

朝活トンカツ社会に勝つ

人生に勝つと

のたまう

じいさんにわたし

ぬらり吸い取られ

大川をボラが跳ねた

わたしはユリコ

天満のガード下で

あんたに拾われて

住み着いて

毎晩毎晩

焼き鳥焼いて

らっしゃい毎度よろこんで

今日も一日お連れさま

女子がきてあんた

てへらてへら笑い

ほんまはあかんけど

ちょっと濃いめにしといたと

のたまう

わたしは備長炭にいぶされて

こんなに遠くまできたのに

まだなにも見えないなんて

人生なるようにならない

誰かわたしを導いて

わたしはユリコ

わたしはユリコ

わたしはユリコ

わたしはユリコ