歌詞

遠い記憶 響いている

チャイムは憂を孕んでる

秒針は焦りを肥大させて

心は鈍で染まって

綻ぶ顔も霞んで

なんだか思い出せないまま

疾に空気は澄んでいる

筈なのに少し濁っている

触れるだけで融けてしまいそうな

青すぎる春の結末

息を飲む日々の欠落

抱き抱えながら歩く

上手く咀嚼出来ずに

零してしまった言葉も

片付けられぬ僕らは

日々を繋ぐ愁いを

不幸だと見紛うのさ

裸足で駆け抜けるには

不出来な映画のエンドロール

僕らは大人になっていく

愛の解も大都会の灰と化して

勘違いも「もう居ない」も宙に舞って

さよならだけが胸を叩く日々が

綺麗なことも知ってるよ

不安翳る明日を

僕らは絶えず歩く

ガタゴト揺れる電車に

重心盗られながら

時効になってしまうのさ

想いは言にしなきゃ

大切が零れたとしても

茜色が藍を鮮明に映している

あぁ鐘の音よ 青い心連れ何処へ行く

後書きにもならぬ有り触れダイアログ

欠伸をして君の帰りを待っている

君が笑った

ただそれだけで

色めく世界が

恥ずかしくて

涙が出るよ

可笑しいと笑ってくれよ

一片の想い出は

線を為して解けた

夏の茹だる斜陽も

蝉時雨のノイズも

溶けてしまったアイスも

お別れの合図も

いつか忘れてしまうかな

いつか忘れてしまうから

散らかった心を花束にした