サウンドチェックとリハーサルが終わり、
出演までの待ち時間のあいだに、
外に出て、
コンビニで買ったビールなんかを片手に、
とくにあてもなくぶらぶらと、
ライブハウスか ら駅まで戻る商店街を歩いている。
耳は空けたまま、
検索など何もしないで、
別に目的などなく、
一人で黙々と、
ただ単に歩きやすい道に沿って歩いてゆく。
宇田川町の遊歩道。
円山町の路地と坂道。
恵比寿はいい安い飲み屋が増えたようだ。
新宿三丁目はいつも、 西、東と花園公園をたどっていく。
吉祥寺は、 東西南北でかなり街並みが異なっている。
西荻窪の、 セイユーの裏にある小さな祠。
上野 浅草橋 秋葉原の微妙な距離感。
今はもうなくなった西麻布スーパーデラックスから、ふと思いついて、
青山霊園まで歩いたことがある。
いつも工事中の六本木通りをわたり、
環状3号線の長い長い長い六本木トンネルを抜けて、
信号のない交差点を何度か横切り、
適当な門から入って急勾配の斜面を登ると、
青山霊園は夜桜が満開だった。
真っ白な花を点けた桜の枝が、 立ち並んだ墓の上を一面に覆っている。
そろそろ桜の季節だってことすら意識できないほど、
その頃はぼんやりしていたらしい。
ウカツだった、ウカツだったな、 と、 意味もなく、
なんども口の中でつぶやきながら、墓地を歩き、
振り返ると、 桜の花をすかして、 六本木の建物たちが見えた。
- 作詞
大谷能生
- 作曲
秋元 修
- プロデューサー
秋元 修
- ドラム
秋元 修
秋元 修 の“鬼ごっこ (feat. 谷王 a.k.a 大谷能生)”を
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- ⚫︎
鬼ごっこ (feat. 谷王 a.k.a 大谷能生)
秋元 修
- 2
中光度赤色航空障害灯
秋元 修
- 3
take me somewhere nice
秋元 修
- 4
行雨
秋元 修
- 5
Loran-C
秋元 修
- 6
GPS (feat. 谷王 a.k.a 大谷能生 & ermhoi)
秋元 修
菊地成孔主催「DC/PRG」に加入したドラマー/平成の怪奇才、秋元修の1st-EP。 後に「Klehe」のメンバーとなる、堀京太郎(Tp),福田雄也(Gt)を主軸に大谷能生を迎えた処女作は、菊地をして「本当にリズムを聴いているドラマーは、結局アンビエントまで行くと思う。単なる逆張りや悟りの類ではなく、アンビエントの中にこそ無限個のリズムが存在し、発生するので、これは一種の自明だ。しかし、その事を実作、しかも自分のリーダー作で表現できるドラマーは、取り敢えず現状では秋元修しかいないと思う。とても趣味が良い」と言わしめた。 大谷能生書き下ろし/朗読にドラムを載せた「鬼ごっこ feat.谷王 a.k.a 大谷能生」や、自身が敬愛するMogwaiを3人で昇華させた「take me somewhere nice」、音楽家/記者である小池直也作曲の「GPS feat.谷王 a.k.a 大谷能生,ermhoi」では、4拍子上に7拍子を載せるポリリズム等、今作は本人が多大なる影響を受けたECMの空気に自分のスタイルを掛け合わせた作品である。
アーティスト情報
秋元 修
札幌市南区出身。2014年洗足学園音楽大学ジャズコース首席卒業。Wacken Open Air 2013 にMysterious priestessとして、Montreux Jazz Festival Japan 2017に菊地成孔プロジェクトとして出演。2020年、単身渡氷。2024年、THE FIRST TAKE 草木/長谷川白紙に参加。 菊地成孔, DC/PRG, ラディカルな意志のスタイルズ, スガダイロー/New little one, Mysterious priestess, Klehe, 36平均律Lofi-Hiphop, 等。
秋元 修の他のリリース
谷王 a.k.a 大谷能生
Salvaged Tapes/LIGHT COURT under digital license from Shu Akimoto