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「麻袋に椿を詰めて、生首集めなんて趣味が悪い」
「グッピーのステーキにして食べてあげたくなります」
「俺には本能がないから本ばかり読んでいる」
「口なんて取っ払っちまえ、口を外してしまえ!!」
「夏というのはあれ以来、来てないじゃないか!!」
「バルザックは笑った!炒り豆みたいなやつだ」
このように彼の詠う詩の中から、
斬新な一説を引用すればきりがないのだが、
このアルバムは全編驚きの一発録音、
13曲40分間の内に、
凍てつくニヒルの氷柱が容赦無く、
君の脳みそを刺し続ける。
このアルバムにおいて、
向後裕太郎にはもうメロディもリズムも不必要。
そう、即ちこれは聴く文学作品なのだ!
口語体としての詩歌を、文学を、
極限まで進化させようと試みた結果、
未だかつて類を見ない現代詩の傑作となり得たこのアルバムは、
現代詩の傑作であると同時に、
真にオルタナティヴ・ロックであり、
パンク・ロックであり、
バラードだ。
アルバムを聴き進めてゆく中で、
虚実の境界は消え去り、
主客の境界は消え去り、
時空間さえも消え去った。
その先に残ったのは、
たった一通の痛切な手紙だ。
「君はこの吹雪の中無事に家へ帰れるかい?
送っていってあげたいけれど、
僕はもうここから出られないんだ」
彼は言う。
しかし君が日本語を話し、音楽を愛し、
この寒々とした現代社会の中でうち震えているのなら、
このアルバムがきっと君に目新しい、
音楽としての文学を、
文学としての音楽を、
いともたやすげに提示してくれるだろう。
それはいかなる情熱をも冷ましきってしまう白銀の世界の中で、
唯一のあたたかい光、太陽だ。
もしこのアルバムが承け容れられないというのなら、
この世界に、僕たちに、
夜明けが来ることはもう、永久にないのだろう───
「この雪が降り止むことはない、俺の雪は溶けない」
荒れ果てた夕焼けの町、昼も夜も来ぬ町に、たった一本の柘榴の木が残されている。 春になれば青い小さな花が咲き誇り、長い雨を過ぎて、海は永遠の煌めきを見せた。 葉が色づいて、素っ裸になって、死んでしまうまで、俺はただ生き続ける。 生きて、生きて、得意のおしゃべりをやめる気はないさ。 死を知った4歳、嘘を知った5歳、羞恥心を知ったのはもう少し後か? 今俺は神を知り、世界を知り、愛を知った。 確かなことは一つだけ、生きることでしかない。 ひとりの孤独な男の人生を、君たちはエンターテインメントとして楽しめばいいんだ。