

たぶん
あの時点で わかってたのにね
電車の時間ばかり気にしてた
イヤホン片方貸してくれたけど
ボクの声 ちゃんと届いてた?
きっと何かが壊れたのは
遠くじゃなくて 手の届く場所だった
古着のコートに残る香り
まだ 洗えずにいるのは なんでだろう
声も仕草も 気まずさも
全部きらいじゃなかったよ
キミのドアの前に置いたままの
凍ったミルクティーだけが知ってる
レコードの針が跳ねる夜
同じ曲ばかり何度もかけて
誰よりもキミを知ってたなんて
言わなくてよかったなって思う
チケットの裏に書いたメモ
「またね」の文字だけちょっと薄れてて
顔も涙も 強がりも
全部嫌いじゃなかったよ
キミのドアの前に 置いたままの
凍ったミルクティーだけが知ってる
もう連絡はしないから
あの写真 消さなくてもいいよ
でも もしも夢に出てきたら
一度だけ笑って手を振って
ふれた記憶はまだやさしくて
だから手を離せたんだと思う
けど 好きだった とはもう言わない
少しずつ 少しずつ 溶けていくから
声も仕草も 気まずさも
全部嫌いじゃなかったよ
キミのドアは まだ開かないままで
記憶の中ボクだけが溶けていく
始発が滑る朝のプラットホーム
キミが読んでた文庫本のタイトルだけ
なぜか今も思い出すんだ
キミのドアは まだ開かないままで
記憶の中ボクだけが溶けていく
- 作詞者
Canonè
- 作曲者
Canonè
- プロデューサー
unɾoɹnʞ
- ボーカル
Canonè
- プログラミング
Kurojun

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- ⚫︎
MILK TEA
Canonè
“やさしく終われたはずの恋”を思い返すボクの、ちょっと滑稽で、それでもどこか切実な独り言。
ドアの前に置いた"凍ったミルクティー"も、気まずさをそっと包んだ沈黙も、ぜんぶ「これでよかった」と思い込もうとしてた。
そうやって過ぎた恋を、すこしだけ笑って思い出す──
そんな、さよならのすぐ手前のラブソング。
アーティスト情報
Canonè
Canonè(カノン) は、"生々しいロマンティック"をテーマに、恋や孤独、日常の温度を綴るチルラップ系アーティスト。 カノジョの音楽には、過剰な演出も、ドラマチックな起承転結もない。日常から切り取った記憶たちがそこにある。 ウィスパーボイスで紡ぐリリックと、"キミ"と"ワタシ"のちょうどいい距離感。 恋愛を歌っているようで、なにげない日常を綴っている。傷ついたとは言わず、曖昧に濁して済ませる。その"抑えたままの感情"が、言葉にならずに残る。
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